退職歓奨

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  • A6判352ページ
  • 2015年10月02日発売
  • 本体価格 630円+税
  • ISBN 978-4-408-55255-2
    • 在庫あり
退職歓奨

内容紹介

人生に、リタイアはない。
泣けて熱い、ビジネス小説集。

人生にリタイアなんてない。組織に残る者、離れる者、50代後半の男たちの前を向く群像を描く8編。

目次

「耳したがう」
中堅プラント会社常務の島田は、社の合併をめぐって、派閥争いに巻き込まれた。島田の盟友であった諌山社長は、大手重工業との合併を推進。対する会長始め多数派は合併反対であった。島田は若い頃、諌山らとミャンマーの発電所建設に携わり、現地で感謝されたことに思いを馳せる。役員会議合併採決の席上、島田が選んだ予想外の決意は……。

「おうちに帰ろう」
メガバンク広報部部長に抜擢された与野。頭取の奥平は、緻密で威圧的で、ストレスなしに仕えることができない人物だ。そこへ、ある記者が奥平の背任横領につながりかねない記事を与野へつきつけてきて、ついに記者会見を開かざるを得なくなり……。

「紙芝居」
銀行を早期退職した加治木は、関係会社でポストを得た。それはかつての部下を勧誘する保険の仕事だった。セールスに飽きた加治木が浅草の屋台で飲んでいると、知り合ったばかりの老人から……。

「ゆるキャラ」
チンドン屋のウサギキャラクターの“中の人”が坂上の現在の仕事だ。坂上には、電機メーカー人事部長として、自殺者まで出し、苦しくも100人のリストラを決行せざるを得なかった過去が……。

「夫、帰る。」
夫の「私」は長年の海外勤務を終え、定年になったところで、妻から離婚を切り出されてしまった。妻の「私」は、海外の仕事ばかりで家庭を顧みない夫に愛想をつかしていた。すれ違う夫婦にあって、息子から両親への思わぬ提案は……。

「ハローワーク」
高卒で勤務した信用金庫支店長の佐山は、無事に定年退職の日を迎えた。家にいてほしくない妻の要請から、人材バンクへと赴く。支店長という経歴もあるのだ、再就職先も問題ないはずだが……。

「私の中の彼女」
銀行常務を務め、子会社の人材派遣会社社長に順当に就任した「私」。子供たちは独立したが、帰宅すると急逝した妻を忘れられずにいる日常だった。その日、お決まりのように採用面接者に会った私に衝撃が……。

「跡継ぎ」
地道に銀行支店勤務を続けてきた北島は、49歳で執行役員内示を得た。周囲は歓迎だったが、三代続く実家の老舗豆腐店が、父親の代で終わりになりそうなのが心残りだ。だが父が急きょ倒れ、北島は家族に対し……。