あらゆるものがおくりもの
パトリック・マクドネル著(パトリック マクドネル)
村上春樹訳(ムラカミ ハルキ)
B5判変型 48ページ
2026年09月17日発売
価格 1,760円(税込)
ISBN 978-4-408-65180-4
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『おくりものはナンニモナイ』の著者パトリック・マクドネル氏が贈る、待望の新作。
翻訳を手がけるのは、村上春樹氏。
前作『おくりものはナンニモナイ』は、谷川俊太郎氏の名訳によって日本の読者に愛されてきました。しかし谷川氏が亡くなられたあと、そのバトンを受け継ぐように、村上氏が本作の翻訳を引き受けました。
村上氏自身も、かつてアメリカで暮らしていた頃、新聞で連載されていた『MUTTS』を愛読していたといいます。
谷川俊太郎氏から村上春樹氏へ。日本文学を代表する二人の言葉が、ひとつの絵本シリーズのなかで静かにつながった、特別な一冊です。
物語の主人公は、黒猫のムーチ。ある特別な日、ムーチは大切な友だちである犬のアールに、「かんぺきなおくりもの」をおくろうと決めます。おくりものは、とびっきり最高で、「ワオ!」と叫びたくなるようなものでなくてはなりません。ムーチは、かんぺきな箱とリボンを用意しますが、肝心の中身がなかなか見つかりません。クローゼットをのぞき、秘密の宝箱を探し、書斎を調べ、大好きなおばさんやおじさんにも会いに行く。それでも答えは見つからないまま、時間だけが過ぎていきます。
ムーチは空を見あげ、自分の吐いた息をじっと見つめ、舞い降りる雪のかけらをしげしげと眺めます。探しても探しても見つからなかった「かんぺきなおくりもの」。けれど、立ち止まって世界を見つめ直したとき、ムーチの目に映るものは少しずつ変わっていきます。何気ない一日、そばにいる誰か、いつもの場所、ふとした出来事。そのすべてが、ムーチにある大切な気づきをもたらしていくのです。
大切な人に何かをおくりたいと思う気持ちから始まり、世界をまなざす心そのものへと広がっていく物語。マクドネル氏のやわらかな絵と、村上春樹氏の澄んだ日本語が、日々の何気ない瞬間を、そっと光らせてくれます。
子どもには世界の美しさを、大人には忘れかけていた感謝の感覚を届ける絵本です。
ほんとうのおくりものとは何なのか――ムーチと一緒に、その答えを見つけたくなる、あたたかな一冊です。