カレーの時間
寺地はるな著(テラチ ハルナ)
A6(文庫)判 336ページ
2025年08月07日発売
価格 880円(税込)
ISBN 978-4-408-55963-6
在庫あり
ふたつの時代をカレーがつなぐ
心にしみる“からうま”な物語
偏屈な祖父と二人で暮らすことになってしまった孫息子・桐矢。昭和の高度成長期にレトルトカレーの営業マンとして働き、カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、半世紀の間、抱えてきた秘密とは――。生きることのままならなさと愛おしさを描く、スパイシーな味わいの傑作小説。
【感動の声、続々!】
「ひとの持つどうしようもなさ、そこから生まれる愛おしさ。味わい深く余韻ある作品!」
――町田そのこさん
「あの時代を生きてきた祖父と、この時代を生きている僕。どうしようもない噛み合わなさと、どう向き合うか。いま必要なテーマをじっくり煮込んだ、これぞテラチ風味の極うま長篇」
――瀧井朝世さん
「時を追って進む回想は、それまでただの頑固ジジイだった義景の人物像を、立体的に生々しく浮き上がらせてみせる。なぜ自分の考えを押しつけるのか、なぜカレーを食べている時だけは幸せそうなのか、なぜ強いことを無条件に善だと考えるのか。理不尽にも見えた義景の言動が、一人の人間の生きた証として胸に迫ってくるのだ」
――北大路公子さん(解説より)