第36回 冒険家 風間深志さん

「地球元気村2002」パンフレットより
元気の源,地球
 冒険のなかで人間は地球がなくては生きていけないんだと実感したころ,今と違って,日本は景気がよかったんだよ。情報に追われ生産的であることをよしとしていた享楽的で刹那的な日本人に,自然からもっと教わることがあるんじゃないのか,もっと自然と共存しようよと,提言したかった。同じ思いを抱いていた音楽家・宇崎竜童や俳優・根津甚八,作家・椎名誠さんなどと,平成元年に立ち上げたのが「地球元気村」なんだ。
 「自然を軸とした地域づくりや人づくりに取り組む」こともテーマとして,全国のさまざまな地域や団体と協力しながら活動をしているんだ。日本全国の「地球元気村」と一緒に,地域の特色や四季,伝統を見つめなおし,子どもたちがわくわくするイベントを考える。昔からその地域の人が食べていた小豆のご飯を食べたり,土壁を皆で作ったりしながら先人の知恵に触れたり,渓流で遊んだり…。子どもたちの顔が生き生き輝いてくる。
 もちろん,あまり普段から野外で遊びなれていない子にとっては,暑かったり寒かったり,疲れたり怪我をしたりと,快適とはいえないかもしれない。でも,それをいろいろな工夫によって乗りきると,自然を楽しむことの爽快さがわかってくる。遊びの知恵を知り,地域を知り,この地球に生きる自分の大切さがわかってくる。今「癒し」ブームなんていっているけれど,やっぱり地球のリズムで生きることが人を元気にしてくれるんだよ。
 これからの夢は「地球元気村」を,もっと日本のさまざまな地域,そして,アジアに広げていくこと。工業化盛んなアジアのほかの国で,生活を豊かにしながらも自然を守る提案をしていきたい。他人事ではないんだよ。国は違っても同じ「地球」の住人,地球は丸くどこまでもつながっているのだから。
(構成・写真/石原礼子)
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