【短期集中web連載】みやすのんきの東京マラソン 12年目の挑戦 第1回

2017.12.15

第1回 11年の時を経て

みやすのんきの東京マラソン 12年目の挑戦 第1回 11年の時を経て

マンガ家のみやすのんきです。

思い起こせば2007年に行われた第1回東京マラソン。しとしとと冷たい雨が降る中、私はオレンジの雨がっぱを着こんで銀座の街をトボトボと……走るのではなく、歩いていました。気持ちは打ちひしがれ、切れ間なく続く沿道の声援にも手を振る気力もなく疲労困憊。

当時、私は78kgあり、それなりに記録も意識して出場しましたが、現実はそんなに甘くはなく、半分以上を歩いて6時間掛かってのフィニッシュ。「自分には全く運動センスというものがないんだな……」と結果に嫌気がさして、その後、まったくランニングをやめてしまいました。

マンガ家お決まりの不摂生な生活、深夜の暴飲暴食にハマり、一時期は体重が85kgまで増加、信号が黄色に変わってあわてて走るのにも、駅の階段を上がるにもハァハァ、ゼェゼェの毎日が続きました。

そんな自分が、まさか30kgにも及ぶダイエットに成功して、全マラソン競技人口の3%未満、50歳以上だと1%にも満たないサブスリー(3時間以内でフルマラソンを完走)を達成するとは思いも寄りませんでした。しかも『走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー』(2015年)と『「大転子ランニング」で走れ!マンガ家53歳でもサブスリー』(2017年)と二冊のマラソンの実用書を書く身になろうとは、人生わからないものです。

きっと「ランニングなんて向いてないや」と自分を納得させつつも、心の中に燃えカスがくすぶっていたんだと思います。

さらに55歳で3年連続サブスリーを達成して現在、第三弾を執筆中という事もあり、このたび実業之日本社から広報企画ランナーとして2018年2月25日に行われる東京マラソン2018に参加させていただくことになりました。

第1回大会以来の11年ぶりの参加となります。東京都庁からのスタートはそのままですが、ずいぶんとコースレイアウトが変わりました。フィニッシュ地点も有明から東京駅の近くになりました。でも距離は当然、同じく42.195km。東京の空の下を走るというのも一緒。

ついに来た、リベンジの時。11年の時を経てついに! 待ちに待った日が訪れようとしています。今の時点でもう泣きそうです。落選した皆さんの思いも胸に抱えて頑張って走ってきます! そして沿道の大声援もきっと同じでしょう。今度はうつむいて歩いたりしない。ぜひ余裕を持って笑顔で手を振りたいと思っています。

そして大切な任務も忘れていません。広報企画ランナーということで、これから東京マラソン2018に向けて、東京マラソン財団の取り組みをさまざまな視点から紹介していきます。事前イベントにも可能な限り参加しようと思います。東京がひとつになる日、12回目の東京マラソンをボランティアやチャリティランナーの皆さんと共に盛り上げていきますのでよろしくお願いいたします。(みやすのんき)

「大転子ランニング」で走れ!マンガ家 53歳でもサブスリー「走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー

東京マラソンは、ランナーだけのイベントじゃない!
走る喜び、支える誇り、応援する楽しみ。

ランナーだけでなく、ごく一般的な方々にとっても一大イベントとなった東京マラソン。出場者は、フルマラソン3万5500人、10km500人の合計3万6000人。これだけの規模の人が東京を駆け抜けるため、ふだんは陸上競技にあまり関心がない人たちも、この日ばかりはみな沿道から声援を送ります。その数、130万人以上(2017大会)。

そんな東京マラソンは、ただ走るだけの大会ではありません。世界のマラソン大会はさまざまなコンセプトをもっています。この東京マラソンは「東京がひとつになる日。The Day We Unite.」。「走る喜び+支える誇り+応援する楽しみ」というフレーズを掲げ、ランナーと市民が一体となって大会を盛り上げていこうというものです。そのため、ランナーとして走る以外にも、イベントに参加できる仕組みがさまざまに用意されています。

また、東京マラソン財団は、イベント開催だけではなく、社会におけるスポーツの役割を考え、事業として展開しています。今回は、そうした取り組みを紹介します。

■VOLUNTAINER(ボランテイナー)が支える東京マラソン

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VOLUNTAINER

その一つが、ボランティアとしての参加です。マラソンに限らず、大規模なスポーツイベントを滞りなく開催するには、膨大な人の手を要します。その役割をボランティアが担うというのは世界的な潮流です。東京マラソンでは、ボランティアとエンターテイナー(人を楽しませる存在)を組み合わせた造語「VOLUNTAINER(ボランテイナー)」を掲げて取り組んでいます。

そう聞くと、サポートのスキルがある人、多言語対応できる人などが求められているのではないかと思うかもしれませんが、まったく経験がなくても楽しく参加できるようにプログラムが組まれています。

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募集は、現場で「ランナーを支える」役割を担うメンバー・多言語対応メンバー約1万1000人、リーダー約600人、リーダーサポート約70人。参加希望者は、VOLUNTAINERのWEBサイトから登録することで、ボランティアや講習会にエントリーできるようになります。東京マラソン2018のための申し込みは締め切られていますが、財団としての活動なので、通年、さまざまな活躍の場があります。

VOLUNTAINERサイト

■マラソンはチャリティ事業でもある

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東京マラソンは、世界6大メジャーマラソンの一つ。ロンドンマラソンやニューヨークシティマラソンなどの多くの大会は、チャリティにも取り組んでおり、東京マラソンでもそれは同じ。2017年は、寄付総件数5351件、寄付金総額3億1301万5238円の規模に達しました。寄付金は、スポーツ関連や福祉、災害の復興支援事業に充てられます。

寄付の方法は三つ。「チャリティランナー(4000名)」、「Run with Heart ランナー」、「サポーター」。

「チャリティランナー」は、10万円以上の寄付をした人が、かつ出走を希望する場合に参加できるもの(条件あり)。大会公式ウェブサイト内のクラウドファンディングを利用し、寄付を集めることでも参加できます。チャリティランナーの参加者は年々増えており、2016大会からは定員3000人、2018大会では4000人となり、それぞれ定員に達しています。

「Run with Heart ランナー」は、参加が確定したランナーが、自らまたは周辺の人とクラウドファンディングにて1000円単位で寄付をおこなうもの。「サポーター」は、ごく一般的な「寄付」であり、1000円単位の寄付をするもの。この記事が公開される2017年12月12日現在では、「サポーター」としての参加ができます。

チャリティサイト

■スポーツレガシー事業

東京マラソン財団が掲げるこの事業は、スポーツイベントを一過性のものに終わらせず、スポーツが社会に、後世に何を遺せるか(=レガシー)を考え、スポーツを軸とした新しいライフスタイルを享受できる社会の実現を目指すもの。「夢、礎、広がり、力」という四つのキーワードをもとに、次のような展開をしています。

「夢」…アスリートの強化、ジュニアアスリート育成、キャリア支援。2020年の東京オリンピックに向けて長期的に育成するための「ダイヤモンドアスリートプログラム」など。
「礎」…スポーツ施設などの環境整備。ランニングコースの整備など。
「広がり」…スポーツ大会の支援及び普及啓発。キッズの大会や障害者の大会など、市民がスポーツに親しめる活動の応援。
「力」…困難に直面している人々、若者や子どもたちに勇気・希望、そして夢を与える力を持っているのが、スポーツ。イベントを通じて、そのサポートを行う。日本パラ陸上競技選手権大会のサポートなど。

スポーツレガシー事業サイト

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以上のとおり、東京マラソンとは、単に「ランナーが走るためのイベント」ではなく、応援者もすべてが参加者であり、楽しむだけでなく、社会的な意義を感じ、関われるようなシステムができています。2007年から始まった東京マラソンも、2018年で12回目。こうしたことを知ると、東京マラソンを、そしてランナーを見る目も変わるに違いありません。
(まとめ:編集部)

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