吉行淳之介 酒場のたしなみ

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  • 新書判256ページ
  • 2014年01月28日発売
  • 本体価格 1000円+税
  • ISBN 978-4-408-59407-1
    • 品切重版未定
吉行淳之介 酒場のたしなみ

内容紹介

粋な男の粋な飲み方

本書は、“文壇酒交遊録”“遠藤周作のユーモアと話術”“二日酔に関する若干の考察”“ホステスは上等の友人である”など、その幅広い交友から生まれたエピソードに“モモ膝三年シリ八年”“赤い玉がポンと出る”などユーモラスな艶話を混え、酒・酒席でのさまざまな出会いや出来事、人間模様を軽妙洒脱な筆致で描き出した傑作エッセイ集。そこには戦後の混乱期のから、はなやかな文壇バーの人いきれ――など昭和という時代がいきいきと浮かび上がってくる。

――まったく、ヤケクソで生きて、イノチガケで飲んでいた。

――それに、あらためて口説いたことはないね。酒場で何時間か、飲んでいるだろう。女は横にいる。そこで、まあ、べつに申し込むわけじゃないが、話がついてしまうんだね。

――どのくらい飲むかって。ぼくは、昔からハシゴ酒で、四軒ぐらい動かないと気がすまない。

――昭和四十年代の終りだったなあ、その勘定がどうなるかと、心配していたら、九千円の請求がきた。あの状態の勘定としたらタダ同然ですね。

そこには、酒場と客との一対一の阿吽の呼吸というものがあったわけだ。男ならかく飲むべし――文壇きってのダンディといわれた吉行淳之介ならではの酒の飲み方、酒場の作法は、いまではなかなかできない粋な男のたしなみを教えてくれる。