「今日から始める 楽しい短歌入門」書影

今日から始める 楽しい短歌入門

江田浩司 ( エダ コウジ )

四六判 256ページ

2013年08月29日発売

価格 1,650円(税込)

ISBN 978-4-408-59398-2

在庫なし

短歌は31音で表現する「自分史」です。

日本の最も歴史のある詩型である短歌は、いつの時代も人々の生活とともにありました。喜びも悲しみも短歌とともにあったといっても過言ではありません。短歌は、古くは和歌と呼ばれていました。日本最古の歌集『万葉集』にすでに和歌という言葉が見られます。特に最初の勅撰和歌集『古今和歌集』(905年成立)以後は、短歌のことを和歌というようになりました。それを改めて短歌と呼ぶようになったのは、正岡子規と与謝野鉄幹による近代の「短歌革新」運動によるものです。長い歴史の中で、短歌はどの時代にもけっして滅びることはなかったのです。

そして現代短歌では、口語の短歌と文語の短歌が両立しています。千数百年の歴史を持つ短歌は、口語と文語の両立する豊穣な時代を迎えています。短歌とは、簡単に言うと、五七五七七の三十一音に自分の感情を託して表現する詩型です。短歌はよく「私(わたくし)」の文学などと言われますが、それは短歌が自分の感情を託す表現としてすぐれた働きを持った詩型であるからです。

私たち人間は自分の感情を表現したいという欲求を誰でも持ち合わせています。その欲求は、自分の人生に厚みが加われば加わるほど深みを増していくものです。しかし実際に自分の感情を表現するといっても、どのような方法を取るべきか迷ってしまう。そのような経験をお持ちになったことはないでしょうか。また自分が納得できる文章に仕上げるには、努力と才能に裏打ちされた文章修業を必要とするでしょう。それでは実際に「自分史」を書き上げることができるのは、一体いつになるのかわかりません。

しかし短歌なら、五七五七七の三十一音で書くという基本的なルールを守りさえすれば、いつでも、また、どこでも「自分史」を書き始めることができるのです。鉛筆が一本とメモ用紙が一枚あるだけでいいのです。短歌で「自分史」を作ることに難しい理屈など必要ありません。自分の心の底をそっと覗いて見てください。あなたの心の底には、言葉の種が発芽する機会をいつでも待っているのです。その言葉の種を短歌という詩型で大切に育ててみてください。きっと毎日の生活に、喜びと張り合いをもたらしてくれるでしょう。

はじめに
第1章 近代・現代の名花を観賞して短歌の魅力を知る
第2章 短歌作りを始めよう
第3章 初心者のための作品完成講座
おわりに

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