薔薇忌

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  • A6判296ページ
  • 2014年06月05日発売
  • 本体価格 593円+税
  • ISBN 978-4-408-55175-3
    • 在庫あり
薔薇忌

内容紹介

皆川ミステリーの極みがここにある――
第三回柴田錬三郎賞受賞作

降りしきる薔薇の花びらに埋もれて死ぬことを夢見た劇団員(「薔薇忌」)、濃密な淫夢に日常を侵される歌舞伎小道具屋の娘(「紅地獄」)、元スター歌手の再起に賭ける芸能プロデューサー(化鳥)……舞台芸能に生きる男女が織りなす世界を、幻想的な筆致で描いた珠玉の短編集。著者の独創性を世に知らしめた柴田錬三郎賞受賞作。実業之日本社文庫版刊行にあたり、新たに書き下ろした「あとがき」を収録。

「思えば、芝居の世界では生者と死者が同一時空で、同じような存在感を身にまとって登場するものだ。もちろんそれらを演じるのは生身の俳優たちだが、著者はそんな舞台を、本物の死者がなんの違和感もなく立ち現れ、平然と生者たちに紛れ込む場として描き出し、読者は「舞台でならばそのようなこともあろうか」と、知らず知らずのうちに納得させられてゆくことになる。
生者と死者の交感を効果的に演出するために、本書でもうひとつ導入されているのが、各篇の結末における鮮烈なサプライズである。これは著者のミステリ好きの反映であると同時に、リアリズム一辺倒のミステリでは困難なタイプのどんでん返しを試みたいという創作意欲の表れでもあるだろう。」
――(千街晶之氏の解説より抜粋)