第4回 諏訪台中学校校長 清水隆彦さん

「タブレット導入なども、海外では進んでいる地域があります。 今後はプライベート旅行でもその状況を把握してみたいです。」

教師とは別世界を学んだ都庁勤め
 教頭試験に合格した平成9〜10年頃は、ある学校での不正を端緒に「教員の常識は世間の非常識」といわれる風潮が起こりました。都の教育委員会はひとつの対策として、管理職選考合格者から面接を経て25人を1年間職場体験をさせる『長期社会体験研修』という制度を設けます。私はその2期生で、管理職として勤める前の1年間、都立病院を管轄する衛生局に所属し都庁勤めとなりました。教員21年目でこういった別世界を体験させてもらえたことは貴重な経験でしたね。特に顧客第一、お客様サービスの視点は学校経営にもあるべきだという思いは強く叩き込まれました。
 そして1年後に学校現場に戻り、都合6年、教頭職を勤めました。教頭は最もきついポジションといわれており、時間的な制約や仕事量自体も確かに多いのですが、私はこのマネージャー、参謀役のような立場が非常に好きでした。仕事は楽しまないと駄目だ、という私の楽天的な考え方もうまく作用したと思います。またこの頃、隣の中学校には当時の全国中学校進路指導連絡協議会(全中進)会長の大塚洋先生がいらっしゃったご縁で、全中進のお手伝いをさせていただくことになりました。そして次の赴任先は大塚先生が校長の学校で、より親密に大田区でのキャリア教育の取り組みのサポートなどに走り回ります。
 そして校長として荒川区立第三中学校に行くことが決まり、私のこれまでの自身の取り組みを考慮されたのか、第三中学校がキャリア教育のモデル校に指定され、校内ハローワークや5日間の職場体験を先進導入校として行いました。5年間の第三中学校校長を経て、現在4年目となる諏訪台中学校でもこれまでの伝統を活かしつつ、キャリア教育を基盤にさらに取り組み続けています。




これからの夢、希望
 現在の夢のひとつは、自分が取り組んできたものを集大成として書籍化したいと考えています。もし形になれば私の夢がひとつ叶うことになりますので非常に嬉しいですね。もうひとつはキャリア教育や、ICT教育の進んだ国を研究してみたいということです。
 学校現場では、授業の質を限りなく上げていくことが求められています。教員にはこれまで以上に授業の質の転換が要求されます。21世紀型スキルの必要性が叫ばれていてもなかなかこれまでの授業形態を変えようとしない傾向があります。将来に向けて教育の質を高めることが国づくりにつながります。先生方には変化を恐れず新しい発想を勇気をもって取り入れてほしいと思います。
 また、子どもたちには失敗を恐れずに何にでもチャレンジしてほしいと思います。これからの時代は勉強だけでなく、人をまとめる力や自分の考えを発信する能力が極めて重要です。ただ勉強だけ、スポーツだけを頑張るのでなく、もっと広い視野をもって物事に取り組んで欲しいですね。



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