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パラスポーツマガジンの最新ニュース

パリ2024オリンピック・パラリンピックのTEAM JAPANオフィシャルウェア発表!

パリ2024オリンピック・パラリンピックのTEAM JAPANオフィシャルウェア発表!

パリは「TEAM JAPAN RED」×「サンライズレッド」 パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会TEAM▲JAPANオフィシャルスポーツウェア発表記者会見が行われ、パリで日本チームが着用するウエア・アイテムがお披露目された。 東京大会に続きサプライヤーはアシックス社。パリ大会用ウエアは「パフォーマンスとサステナビリティの両立」とコンセプトに、優れた機能性を持たせながら環境に配慮したアイテムを提供することで、スポーツを守り、継続させるにはどうすべきかをアスリートとともに考えたい、との想いを込めたという。 東京大会では目が覚める鮮やかなレッドが印象的だったが、今回もキーカラーにTEAM JAPANを象徴する「TEAM JAPAN RED」を採用。さらに「サンライズレッド」のグラデーションをあしらった。これは「パリの日の出」をイメージしたカラーで、朝焼けに空が赤く染まる力強さと暖かさを表現しているという。内側に着るTシャツには、伝統的な日本の吉祥模様である「矢絣(やがすり)」を取り入れたデザインを施し、決断や強さを表現。また、開発コンセプトである「パフォーマンスとサステナビリティの両立」に沿って「Conditioning(コンディショニング)」「Sustainability(サステナビリティ)」「Diversity(ダイバーシティ)」の3つのテーマを設け、寒暖差が大きいパリの環境への対応、温室効果ガス排出量の削減、多様性と調和を重視したチームの中で選手個人が輝けるウエアを目指したという。 ©JOC/JPC/ASICS パラスポーツ界からは廣瀬選手(ボッチャ)、宇田選手(トライアスロン)らが登壇 発表会ではオリパラ合わせて15名のアスリートが登壇。パラスポーツ界からは陸上の新保大和、竹村明結美、田巻佑真、水泳の木下あいら、西田杏、車いすラグビーの若山英史、ボッチャの廣瀬隆喜、トライアスロンの宇田秀生の各選手が登壇した。また今大会のパラリンピック選手団長を務める田口亜希氏の挨拶も行われた。 車いす選手が着用する上着はタイヤにあたる袖の部分が強化され、パンツのポケットは座った状態で使いやすい位置と角度につけられており、廣瀬選手は「車いすの選手に向けてデザインが考えられていてすごくうれしい」とコメント。ウエアについては「フィット感があって動きやすい」(新保選手)、「(片手でも)ファスナーがびっくるするほどスムーズ」(宇田選手)などの感想が聞かれた。 「車いす選手へ向けてのデザインがすごくうれしい」と廣瀬選手 ©JOC/JPC/ASICS パラリンピック日本代表選手団の田口亜希団長 鳥海選手は応援する立場からの気づきや変化に期待 車いすバスケの鳥海連志選手は応援パートナーとしてゲスト出演 そして、応援パートナーとして、元卓球選手の石川佳純さん、車いすバスケの鳥海連志選手がゲスト出演。鳥海選手は着用した白いTシャツについて、「夏に応援にどれだけ力が入ってどれだけ熱が出ても放出してくれる着心地。どれだけでも応援できそうなウエアです」と感想を語った。 男子車いすバスケチームは惜しくも出場権を逃したが、鳥海選手は「タイで行われた予選では準決勝で負けてしまったのですが、日本に帰ってくる前に気持ちは切り替えていました。パリに出られない分、その次のロスに対しての準備期間が長く設けられる僕たちの立場があるということを確認しましたし、そこに向けていい準備とパフォーマンスを持っていくということに切り替えました。その中で、応援パートナーとしてパリに関われるということは、普段応援してもらっている立場から応援する立場に変わることで、何かしら自分の中で気づきだったり変化が起こるんじゃないかということも含めて、前向きにトライしてみようという気持ちになれました」とコメントした。 鳥海選手から田巻選手に応援メッセージとミサンガが手渡された ©JOC/JPC/ASICS パリ2024オリンピックは7月26日、パラリンピックは8月28日開幕を迎える。 取材・文・写真/編集部
パリ2024パラリンピック 日本代表選手団副団長の決定について

パリ2024パラリンピック 日本代表選手団副団長の決定について

日本パラリンピック委員会(JPC)は、パリ大会の日本代表選手団副団長を中澤吉裕(なかざわ よしひろ)氏に決定しました。 中澤氏はJPC強化本部長で、東京大会では車いすテニスチームの監督を務めました。 先に発表済みの団長の田口亜希氏、副団長の井田朋宏氏とともに日本代表チームを牽引します。
【パラバドミントン】パリ2024パラリンピック代表内定選手決定!

【パラバドミントン】パリ2024パラリンピック代表内定選手決定!

日本パラバドミントン連盟は、パリ2024パラリンピックの日本代表内定選手を発表しました。東京大会で金メダルを獲得した里見紗李奈、梶原大暉ら6人が選ばれました。 車いす女子:里見紗李奈(NTT都市開発)、山崎悠麻(NTT都市開発) 車いす男子:梶原大暉(ダイハツ)、村山浩(SMBCグリーンサービス) 立位:伊藤則子(中日新聞)、今井大湧(ダイハツ) 6人はいずれも東京大会に続き2大会連続のパラリンピック出場となります。 写真/吉村もと
【パラスポーツ体験会のお知らせ】東京都立大学パラバドミントン教室

【パラスポーツ体験会のお知らせ】東京都立大学パラバドミントン教室

【パラスポーツ体験会のお知らせ】東京都立大学のきれいな体育館で、パラバドミントンをしてみませんか? ~ パラバドミントン体験教室~ ■日時4月13日(土) 5月25日(土)14:00~16:00(受付開始13:30~) ■参加費・無料 ■会場・東京都立大学荒川キャンパス体育館〒116-8551 東京都荒川区東尾久七丁目2-10 ■申し込み方法/問い合わせ先①GOOGLEフォーム:QRコードからお入りください ②E-MAIL: a-planning@jmj.tmu.ac.jp③TEL:03-3819-7108東京都立大学荒川キャンパス管理部企画担当
未来の子どもたちに持続可能な環境を残すため「HEROs PLEDGE」プロジェクト始動

未来の子どもたちに持続可能な環境を残すため「HEROs PLEDGE」プロジェクト始動

スポーツ界横断の「使い捨てプラスチックごみ削減プロジェクト」 日本財団は、アスリートと共に社会課題解決の輪を広げていくことを目的とした「HEROs〜Sportsmanship for the future〜」において、地球規模で広がっている海洋ごみ問題や気候変動といった環境問題に対して、その原因のひとつである使い捨てプラスチックごみをなくしていくために、スポーツ界を横断して削減に取り組むプロジェクト「HEROs PLEDGE」を始動した。 HEROs プロジェクトは、アスリートによる社会貢献活動を促進することで、スポーツでつながる多くの人々の関心や行動を生み出し、社会課題解決の輪を広げていくことを目的に、2017年に活動を開始。昨今、地球規模で海洋汚染が広がるとともに、世界各国で気候変動による異常気象が見られるようになり、日本でも猛暑や水害などが多発するなど、人々の日々の生活を脅かしているが、これらの問題はスポーツ界にも関係し、猛暑や雪不足で競技ができない状況が生じるなど大きな影響を及ぼしている。 地球規模で広がっているこれらの環境問題の要因の一つと言われているのが、“使い捨てプラスチックごみ”だ。このプロジェクトは、ゴールである「スポーツ界から使い捨てプラごみゼロに」の実現に向けて、アスリートを起点としながら、協会、連盟、クラブチーム、ファン、消費者、そして企業とともに、スポーツ界が一体となり、力を合わせて取り組んでいく“スポーツ界を横断した使い捨てプラごみ削減プロジェクト”である。 プロジェクトに参画するパラアスリートたち このプロジェクトには現在、33名のアスリートと10組のスポーツ関連団体が参画。2027年度末に主要スポーツの興行において使い捨てプラスチックごみの半減を当面の目標とし、アスリートが起点となり、パートナーアスリートとともに使い捨てプラごみ削減の先進事例づくりに取り組むほか、プレッジ(宣言)機能を活用した一般生活者への発信、関連団体と連携した使い捨てプラごみ問題啓発のためのファン参加型のごみ拾いイベントなどを行う予定だ。日本財団は、本プロジェクトを通してアスリートやチームから正しい知識とアクションを発信し、海洋ごみ問題や気候変動などの社会課題の解決に繋げ、様々な人がスポーツを安心して実施できるような環境づくりを行っていくとともに、ファン一人ひとりが、海洋ごみ問題や気候変動問題に対してアクションを起こすきっかけ作りを目指している。 3月28日に行われたプロジェクト発表会には、元競泳選手の井本直歩子さん、スキーノルディック複合の渡部暁斗選手、プロサーファーの都筑有夢路選手ら多数の参画アスリートらが登壇した。パラアスリートのコメントは以下の通り。 一ノ瀬メイさん(パラ水泳元選手) 「私自身は、4年前に環境問題を勉強したことをきっかけに、個人でできるアクションを続けてきました。ですが、正直、スポーツ界でアクションをしていると、変わり者扱いをされることが多かったです。少し前に井本(直歩子)さんに出会い、このプロジェクトがスタートしたことで、こんなにたくさんの仲間(参画しているアスリート)と出会うことができました。スポーツ界から新しい環境との向き合い方のスタンダードを築いていけるのではないかとワクワクしています。オリンピック、パラリンピックは、今まで平和の祭典と言われていることが多かったと思うのですが、これから先の未来もその言葉を本物にし続けるために、スポーツ界が気候変動や環境問題に加担している側から地球環境を再生する側に回っていく必要があると思っています。このプロジェクトを通じて私自身もそうしていけるようにしたいと思っています」 発表会に登壇した一ノ瀬メイさん 根木慎志さん(車いすバスケットボール元選手) 「ここにいるアスリートは、多くの勉強会・現地視察を経て今日を迎えました。華々しくワクワクする気持ちでいっぱいです。今日登壇している12名のアスリート以外にも参画しているアスリートがたくさんいます。アスリートだけでなく勉強会の中で講師としてお話をしていただいた方や、共に活動するメンバーの方も多くいます。本当に今、環境問題が待ったなしの大変な状態になっているのは、みなさんご存知だと思いますが、こういう時だからこそ、アスリートの力で問題を解決していけるように、今日この日を迎え、まず宣言をし、スポーツ界から大きなムーブメントを起こしていきたいと思います」 この2人のほか、久保大樹選手(パラ水泳)もこのプロジェクトに参画している。「HEROs PLEDGE」プロジェクトの取り組みに注目し、私たち自身も使い捨てプラスチックごみ削減に協力していきたい。 資料・写真提供/HEROs PLEDGEプロジェクト(日本財団)
神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会 日本代表選手決定

神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会 日本代表選手決定

2024年5月17日(金)から25日(土)に兵庫県神戸市・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で開催される「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」の日本代表選手が決定し、日本パラ陸上競技連盟より発表されました。 今大会には世界約100ヵ国・地域から約1300人が参加する見込み。日本人選手にとってはパリパラリンピックの出場権をかけた大会でもあります。 代表に選ばれたのは男女66名。男子では、東京パラリンピックで車いすクラス(T52)2冠に輝いた佐藤友祈が100mと400mにエントリー。昨年の世界パラ陸上選手権で視覚障害クラス(T13)400mで金、走幅跳で銀メダルを獲得した福永凌太(冒頭写真)が100m、400m、走幅跳の3種目に出場を予定しています。このほか5000m(T11)で東京パラリンピックで銀メダルを獲得し世界記録を持つ唐澤剣也が1500m、5000mを走る予定です。 東京パラリンピック2冠の佐藤友祈 5000mの世界記録を持つ唐澤剣也 女子では3大会連続でパラリンピックに出場している髙桑早生(T64:走り幅跳び)をはじめ、昨年の世界パラ陸上でメダルを獲得した中西麻耶(T64:走り幅跳び)、齋藤由希子(F46:砲丸投げ)、澤田優蘭(T12:走り幅跳び)らが代表入りを果たしました。 走り幅跳びでメダルが期待される中西麻耶 代表選手は下記リンク先よりご覧ください。 ◆代表選手一覧(男子) ◆代表選手一覧(女子) 写真/吉村もと
「ネクストパラアスリートスカラーシップ~ NPAS ~ supported by 三菱商事DREAM AS ONE.」2024年度奨学金授与式

「ネクストパラアスリートスカラーシップ~ NPAS ~ supported by 三菱商事DREAM AS ONE.」2024年度奨学金授与式

次世代のパラアスリートを日本パラリンピアンズ協会(会長:大日方邦子)が主体的に関わり育成していくプロジェクト「ネクストパラアスリートスカラーシップ」の2024年度奨学生が決まり、3月20日、奨学金授与式が行われた。今年度の奨学生は下記の3名。 川渕大耀(かわぶち・たいよう):水泳/2008年生まれ、神奈川県横浜市立新田中学校3年 福間釉絆(ふくま・ゆうき):陸上/2006年生まれ、島根県立松江養護学校乃木校舎2年 松岡星空(まつおか・せいら):車いすテニス/2010年日生まれ、愛知県あま市立甚目寺中学校2年 奨学生は原則3年の間、奨学金30万円(年)のほか、日本パラリンピアンズ協会メンター制度で公認されたNPAS・メンターによる相談・支援、英語研修(海外アスリート交流)、思考力研修(読書+ 発表)、自己成長プランの作成サポート(デュアルキャリアを意識した中長期計画、半年に1 回はメンターとの振り返り)、プレゼンテーション研修(講演会発表)などのサポートを受ける。
ブラインドサッカー日本一のチームを決める大会を観戦しよう!(TEAM BEYOND 観戦会)

ブラインドサッカー日本一のチームを決める大会を観戦しよう!(TEAM BEYOND 観戦会)

TEAM BEYONDは今年5回目となる観戦会を行う。今回はブラインドサッカー日本一を決める大会「第21回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権・FINALラウンド」を観戦。パリ2024パラリンピックで活躍が期待される日本のトップ選手も出場予定のFINALラウンドへ無料招待。決勝戦をスタンド席で観戦することができる。 希望者は下記よりTEAM BEYOND LINE公式アカウントに友だち登録の上、案内にしたがって申し込みを。 LINE公式アカウント「TEAM BEYOND(チームビヨンド)」を開設!! | TEAM BEYOND | TOKYO パラスポーツプロジェクト公式サイト (para-sports.tokyo) 期日 2024年3月9日(土)14時~ 会場 町田市立総合体育館 募集人数 50名(1回の応募につき5名まで申込可能) 応募締切 2月27日(火)12:00まで  当選発表 3月1日(金)12:00頃 
女子車いすバスケ大阪大会。日本は惜しくも準優勝。パリの切符をかけ4月の世界最終予選へ!

女子車いすバスケ大阪大会。日本は惜しくも準優勝。パリの切符をかけ4月の世界最終予選へ!

2月16日~18日に行われた「国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会」。この大会で優勝すればパリパラリンピックの出場権が獲得できる。 出場国は日本、イギリス、タイ、オーストラリアの4カ国。総当たりの予選を2勝1敗で終えた日本は決勝に進出した。相手はイギリス。ヨーロッパ予選ですでにパリ出場権を獲得している強豪だ。 予選で唯一黒星を喫したイギリスに対し、日本はチーム一丸となって挑んだ。しかし実力差は明らかで、46対71で敗戦。この結果、日本はパリパラリンピック出場の切符をかけて、4月の世界最終予選に挑むことになった。最終予選の会場は再び大阪。みんなの応援の力で、日本をパリ行きの飛行機に乗せようじゃないか! ◆最終順位 1位 イギリス 2位 日本 3位 タイ 4位 オーストラリア 優勝したイギリスチーム ◆MVP ジョイ・ヘイゼルデン(英) ◆オールスターファイブ ステファニー・ヴァンレーウェン(豪) ポーンティップ・カチュンラム(タイ) 萩野真世(日本) エイミィ・コンロイ(英) 北田千尋(日本) オールスターファイブに選ばれた5人の選手たち 萩野真世選手 北田千尋選手 エイミィ・コンロイ選手(英) 写真/吉村もと
ハンドサッカーに大興奮!「IncluFES(インクルフェス) 2024」

ハンドサッカーに大興奮!「IncluFES(インクルフェス) 2024」

東京2020パラリンピック大会を契機に、パラスポーツは一定の認知と理解を得たと言える。しかし、重度障がい者に目を向けてみると、たとえば特別支援学校に在籍する重度障がいの子どもたちのなかで、パラスポーツに取り組める生徒は1割に満たないのが実情である。 スポーツの機会に恵まれないこうした重度障がいの子どもたちに、スポーツを通じたふれあいや自己実現の機会を提供しようと始まったのが「IncluFES(インクルフェス)」だ。 みんなのためのフェスティバル「IncluFES 2024」 「IncluFES(インクルフェス)」は、肢体不自由特別支援学校に在籍する、重度の障がいのある子どもたちとその関係者にフォーカスを当てたイベントである。「気づき、深め、楽しむ」をテーマに、パラスポーツにとどまらず、さらにインクルーシブなイベントを発展させるために生まれた。誰もが楽しむことができるさまざまなコンテンツが用意された“みんなのためのフェスティバル”なのだ。 ハンドサッカーのエキシビションマッチには13チームが参加 2024年1月20日、「IncluFES 2024」が開催された東京都多摩市立総合体育館は、朝早くから熱気に包まれていた。この日のメインイベントは、ハンドサッカーのエキシビションマッチ。都立肢体不自由特別支援学校チームや卒業生チームなど13チームが参加し、各チーム2試合ずつの対戦が行われた。 ハンドサッカーは、東京都の肢体障害特別支援学校で考案され、競技の柔軟性から全国の特別支援学校に普及しつつあるパラスポーツだ。既存の競技では十分に対応しきれないさまざまな障がいを持つ子どもたちが活躍の場を広げ、個々の能力を引き出し、心身を健全に育成するために考案された。勝敗以上に各個人のパフォーマンスを讃える競技スタンスから、究極のアダプテッドスポーツとも言われる。 1チームは、フィールドプレーヤー4人、スペシャルシューター1人、ポイントゲッター1人、ゴールキーパー1人の計7人で構成される。選手の交代は何度でも自由だ。試合前に両チームが挨拶のため整列し、スターティングメンバーの7人がコートに散らばる。そしてホイッスルが吹かれ試合開始。フィールドプレーヤーがボール運び、スペシャルシューターにパス。相手チームはそれを防御する。そしてポイントゲッターが課題をクリアして得点をあげると大歓声があがり、会場は一気にヒートアップ! 試合前は整列して挨拶 1チーム4人のフィールドプレーヤーがコートを動き回ってボールを運ぶ スペシャルシューターにボールを渡すことができると得点が入る 自らの障がいの程度に応じた課題に挑むポイントゲッター 不思議なことに、試合を観戦しながらルールや選手の動き方がわかるにつれ、どんどんゲームに引き込まれていく。仲間にボールを渡そうとコートを動き回るフィールドプレーヤーの攻防。自らの障がいの程度に応じた課題に挑むポイントゲッターのがんばり。ポイントを獲得したときの達成感と興奮……。観ているうちに我を忘れ、自然に声援と拍手を送り、会場はハイテンションに。ハンドサッカー、すごい! 会場には横断幕が掲げられ熱のこもった応援合戦が繰り広げられた さまざまなインクルーシブ体験 先述したとおり、このフェスはハンドサッカーを楽しむ以外にも、さまざまなインクルーシブ体験ができることが特徴だ。会場にはサイバーボッチャ、ゲーム対戦、ビジョングラムなどのアトラクションが設置され、選手たちも試合の合間に楽しんだ。さらに、セレモニーにはパラ陸上で活躍する有熊宏徳選手(ジャパンパラ陸上2023で100mと走り幅跳びのT38クラス優勝)がゲスト出演。脳性麻痺(左半身片麻痺)を克服して陸上競技にかける自らの体験を語るとともに、参加者に応援メッセージをとどけた。 会場ではさまざまなインクルーシブ体験会が行われた。写真上からサイバーボッチャ、ゲーム対戦、視覚障がいを可視化するビジョングラム 有熊宏徳選手(中央)の話に聞き入る参加者たち まさに、みんなのためのフェスティバル。スポーツ&インクルーシブ体験で選手はもちろん、来場者みんなが一体となって楽しんだ1日となった。 取材・文・写真/編集部
タンデム自転車で湘南のサイクリングルートを走る

タンデム自転車で湘南のサイクリングルートを走る

自然豊かな日本をアクティビティで旅する「ジャパンエコトラック」(注1)。この取り組みに2023年12月に新規登録した神奈川県のサイクリングルート(注2)で、メディアツアーが開催された。今回の試走コースは、太平洋岸自転車道神奈川セクションと相模原~茅ケ崎サイクリングルートの一部。大磯港から柳島スポーツ公園、寒川神社を経由し、海老名運動公園までを走るコースだ。 スタート地点の大磯港 このツアーに視覚障がいをもつ西郷光太郎さんと黒澤美花さんが参加した。二人が乗ったのはタンデム自転車。観光地などで見かけることがある二人乗り自転車だ。前に乗るパイロットは廣田和彦さん、朝美さんご夫妻。2人はサイクルボランティアジャパンのメンバーで、自身も長年タンデム自転車を愛用し、以前は2人で、お子さんが産まれてからはファミリーでツーリングを楽しんでいるという。 ツアーにタンデム自転車で参加した左から黒澤さん、廣田朝美さん、和彦さん、西郷さん タンデム自転車での公道の走行は各都道府県の条例によって規制されており、比較的最近まで公道を走れないエリアがあった。しかし徐々に緩和され、2023年7月にはその時点で唯一制限していた東京都が解禁。現在は日本全国の公道で走行が可能となった。 タンデム自転車の良いところは、2人に体力差などがあってもカバーでき、一緒に走れることだ。廣田さんご夫妻は、以前はそれぞれの自転車でサイクリングを楽しんでいたが、ペースが合わずに朝美さんが不機嫌になってしまうこともあったそう。「じゃあタンデムをやろうと。僕が力を補えば一緒に移動できますから」(和彦さん)とタンデム自転車を始めたと言う。 「タンデムを始めると、パイロットとして視覚障がいの方と一緒に乗ることが増えてきました。それで思ったのが『障がいの方でも後ろに乗ってしまえば、障がいがなくなる!』ということです。パートナーとして一緒にサイクリングするお友達になるんです。だから自分が支えているとか介助しているとかという気持ちはあまりありません」(和彦さん) 2人のお子さんを3歳くらいからサイクリングに連れ出しているという廣田さん。子どもたちと一緒に旅やイベントに参加できるのは、タンデムならではの良さだと言う。廣田さんのタンデム仲間には視覚障がいやダウン症の子どもを持つ親もいるそうだが、タンデムなら自転車の後ろに乗せて移動したり旅に出かけることができ、子どもの運動不足解消にも役立っているそうだ。 廣田さんの誘いで2年ほど前からタンデム自転車を始めたという西郷さん。「私は全盲なので、一人で道を歩くのも難しい。以前はマラソンをしていましたが、長続きしませんでした。でも、サイクリングだと長い距離をゆっくり走れるので続けることができています。結構な運動になるので体力がついて、肥満気味だった体も健康状態が良くなりました。そして、心が豊かになり、世界が広がったと思います。今の夢は東京の日本橋から京都の三条大橋までタンデム自転車で走ることです」 スポーツが大好きだった黒澤さんが視力を失ったのは5年ほど前。「目が悪くなり始めてからどんなブラインドスポーツだったらできるのか、いろいろ試してみました。そのなかの一つがサイクリング。見えないとスピードを感じたり、風を切ったりするのが難しくなるのですが、タンデムに乗せてもらうことで、私は風を取り戻せました。これだよな!と思えるものがすごくあったんです。風を感じる中から自然を感じたり、パイロットの方との会話から見いだせた新しいものを得られたりと、一石何鳥もの良さがありますね」。黒澤さんにとって、晴天のこの日、湘南の潮風を受けながら気持ちの良いツーリングだったに違いない。 廣田さん夫婦の愛車。ツーリング使用になっている 今回のツアーでは、KHSジャパンの協力で、タンデム自転車の試乗体験会も実施された。初めて乗る参加者も多く、初めは戸惑いも見られたが、自転車にまたいで漕ぎ出すと不安は即座に解消。あっという間にタンデム自転車の虜になり、皆気持ち良さそうに走っていた。 タンデム自転車の試乗体験会も行われた 障がい者のスポーツツールという点でも注目されるタンデム自転車。現在、日本パラサイクリング連盟を中心に普及活動が行われているものの、レンタルポートやパイロットのなり手が少ないなどの問題もある。障がい者にとってタンデム自転車はさまざまな可能性を秘めているだけに、環境がもっと良くなり、多くの人が楽しめるようになることを期待したい。 取材・文/編集部 協力/株式会社モンベル 注1 ジャパンエコトラック/「JAPAN ECO TRACK」とは、カヌー・自転車・トレッキングなどの人力による移動手段で、日本各地の豊かで多様な自然を体感し、地域の歴史や文化、人々との交流を楽しむ新しい旅のスタイルです。ジャパンエコトラック推進協議会は、旅行者が、このような旅を365日いつでも快適に楽しめる環境づくりを地域と連携して推進しています。(※ジャパンエコトラックHPより転載) 注2 神奈川県の取り組み/神奈川県は2023年12月ジャパンエコトラックの新規エリアに登録。全18(サイクルリングルート14)のエリア・ルート情報を公開した。箱根や丹沢の山々、相模湾の海の幸と湘南や三浦半島の絶景、古都・鎌倉や小田原城の歴史遺産など、多彩な見どころがある。 ※「ジャパンエコトラック神奈川」の詳細は下記サイトをご覧ください。 https://www.japanecotrack.net/area/1113
「サントリー チャレンジド・スポーツ アスリート奨励金」の第2期採択先決定

「サントリー チャレンジド・スポーツ アスリート奨励金」の第2期採択先決定

サントリーホールディングス(株)は「サントリー チャレンジド・スポーツ アスリート奨励金」の第2期採択先を決定した。計57の都道府県・政令指定都市より、アスリート81名と、障がい者スポーツ協会または競技団体25団体を採択し、総額2850万円を支給する。 この奨励金事業は、チャレンジド・スポーツの普及・振興や世界レベルの選手の育成・強化につながることを願い、障がい者スポーツ協会などが推薦するアスリートと、各協会または各協会が指定する競技団体などの活動を支援するもの。2022年9月にスタートし、第1期では計55の都道府県・政令指定都市で総額2750万円を支給した。 奨励金はアスリートの活動費(義肢装具などの器具購入費、遠征費用など)や、各団体による競技振興のための費用(競技会・研修会の実施費用・参加費用など)に活用する。同社は「本奨励金によって、アスリートのチャレンジを支援し、日本全国でのチャレンジド・スポーツのさらなる普及・発展を目指します」とコメントしている。

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