創業40周年を迎えた、株式会社エイジスの社会的対応力

「『エイジス』は、じつは小売業界の間ではちょっと知れた存在なんです(笑)」

 

と言うのは、株式会社エイジスの代表取締役社長である齋藤昭生氏。日本初の棚卸業者として創業した同社は、世界各国でリテイルサポート事業を展開。現在、大手コンビニやスーパー、ドラッグストアなど棚卸業のアウトソーサーとして年間約21万店舗の棚卸を請け負っており、国内シェアは約8割という、知る人ぞ知る業界大手だ。

 

そのエイジスが、創業40周年を迎えた昨年、車いすバスケットボールチーム「千葉ホークス」のオフィシャルサポーター就任を実現した根底には、今は亡き創業者の意思がある。

「私の父である創業者、故・齋藤茂昭は、自宅近くにあった知的障がい者の通勤寮が県の方針で閉鎖されることを知ります。それでよく調べてみたら、当時は障がい者に対するバリアが厚く、自立するためのサポートがまったく不足してたんですね。

 

そこで父は立ち上がり、2005年に社会福祉法人『斉信会』を設立し、その場所を新たに開所することになります(※斉信会は千葉市花見川区に現在4つの施設を運営)。

 

父は『この世から障がい者という言葉がなくなる日が来てほしい』といつも言っていました。障がい者、健常者と区別するのでなく、同じひとりの人間として、同じ社会の構成員のひとりとして、その人らしい自立した生活ができる世の中になればいいという想いです。これからもその意思を受け継ぎ、少しでも貢献したいと考えています」

 

また、エイジスは障がい者の雇用にも積極的で、2010年には特例子会社「エイジスコーポレートサービス」を設立。現在、従業員数40名のうち障がい者30名が就労している。

 

「長年、障がい者支援活動をしてきましたが、今回新たに『千葉ホークス』への支援が加わりました。じつは、社内研修で代表の田中恒一さんにスピーチをお願いした時、『みなさん、夢はありますか?』との問いに挙手した社員は数人でした。

 

田中さんには、〝車いすバスケのプロリーグをつくる〞という夢があり、その想いを胸に生きる姿勢は、私を含め、少なからず従業員の心を刺激しました。そしてあらためて確信しました。健常者が障がい者をサポートするだけではなく、障がい者に健常者もサポートされているのだと。

どちらか一方通行ではなく、お互いに共存できる世の中。先代の言う、障がい者という言葉がなくなる世の中へ、少しでも近づくことを夢に、今後も支援を続けていければ、と強く感じています」

 

エイジスは、昨年日本で開かれた障がい者アートのワールドカップ「パラリンアート世界大会」にも協賛した。

〝この世から障がい者という言葉がなくなる日〞を夢見て、エイジスの活動はまだまだ続く。

取材・文/高橋佳子

写真/高橋淳司