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  【仮面女子】猪狩ともかの挑戦心(2/2)

【仮面女子】猪狩ともかの挑戦心(2/2)

彼女は今年、体力強化やレギュラー獲得などの目標をブログで掲げていた。その進捗をこそっと聞くと、答える前からどこかうれしそう。 「実は、レギュラーの番組が決まったんですよ。こんなにはやく目標を達成できたことが、すごくうれしいです!」 家族には一番に伝えたらしく、一緒に喜んでくれたそうだ。残りの目標もこの調子でクリアしていけるよう応援したい! また、「不幸中の幸いノート」も話題を呼んだ。事故4日後に書きとめたそのリストには、「頭や首が無事」「手が自由」などの前向きな言葉がいくつも書かれている。事故当時の状況に向き合おうという思いに至ったことから始まったというが 「公開したことへの特別な想いはありません。ある取材で大きく取り上げてくれて、そこからまた注目されるようになって……。反響を集めるようになったから、じゃあもっと表に出してもいいやって」 と言っていた。これからも、毎日としっかり向き合っていくと明かしてくれた。 今後もさらに活躍の場を広げていきたいと話す彼女の顔は明るい。これから取り組みたい新しい試みについて聞くと 「クルマの運転です。今は甘えて両親やマネージャーに迎えにきてもらっていますけど、そこをまず変えていきたくて。運転ができれば活躍の範囲も広がって、プライベートで使うことだってできますよね。好きなときに好きなことができるようになることが理想です」 と、即答。車いす生活になってからまだ日は浅いが、何が必要で、何が足りないかをしっかりと理解しているように感じる。なんだかとても頼もしい。 「ちょっとしたことですけど、ベッドとかに乗り移る動作も磨いていきたいと思ってます。左側に移ることには慣れたんですけど、右側はまだ下手。今後はいろんなところに足を運ぶと思いますし、どこでも同じように対応できないといけないから、そのために練習中です」 健常者でいう利き腕のような感覚らしく、慣れるまで相当な時間がかかるらしい。それでも一つひとつをこなせるようになることがうれしいと、決して折れることなく努力を重ねているようだ。 また、2019年2月に、iPS細胞を使って脊髄損傷を治療する臨床研究が進むニュースを見て 「私みたいな人が治る未来がくればいいなと思います。そのために、私から積極的に発信を続けて、まずはiPS細胞と脊髄損傷のことをみんなに知ってもらうことが目標です」 と決心したそうだ。 「まあ期待はしすぎず。するけども、しすぎないようにしていきたいですね」 と、最後まで笑って答えてくれた。彼女の存在は、障がいを抱える人たちの未来を変えてくれるかもしれない。 取材・文/編集部 写真/高橋淳司


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