日本は海の国。七つの海に、物を、人を、熱い心を運ぶ
船 員
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 石油などの資源が少なく、四方を海に囲まれている日本は、原材料の輸入や製品の輸出のほか、国内の輸送にも船を多く使います。
 船員のおもな職場は荷物や人を運ぶ海運業と魚などをとる漁業で、日本ではそれぞれ約5万人が働いています。このほか、海の安全を守る海上保安庁につとめる船員もいます。  船員は国家資格で海技士と呼ばれ、次の3つがありますが、船の大きさや航海の範囲によって、階級が細かく分かれています。
 航海士は船の操縦、船体や船内の整備がおもな仕事ですが、貨物船では荷物の揚げ降ろし、漁船では漁や網の管理も担当します。
 機関士はエンジンなどの機械の操作や点検を担当します。大自然の中を安全に航行するためには、機械の故障は許されません。
 通信士は陸上との唯一の通信手段である無線を担当します。本社や取引先との連絡、気象通報を聞いての天気図作りもおこないます。
 中学校や一般の高校を卒業後すぐに船に乗る方法もありますが、早くから責任ある仕事をするには、海員学校や水産高校、商船高専、水産大学、商船大学などで学んで海技士の資格を取り、船会社に就職してからも経験を積みながら上級の資格を取るのが早道です。

仕事の環境
●船は24時間眠りませんから、3交代制で夜間の当直もありますし、週休2日というわけにはいきません。かわりに手当が支給されるほか、長い航海のあとは長期の休みを取ることができます。●船員といっても船に乗るだけでなく、陸上社員と同じように陸上勤務や海外駐在を命じられることもあります。

船員になるには

これまで・今後
 日本は世界でも有数の海運国で、たくさんの船を運航していますが、外国との競争に生き残るために、船を税金の安い外国籍にし、乗組員も安く雇える外国人中心にしてきました。その結果、競争力はつきましたが、船員は減っています。しかし、私たちの暮らしが海に頼っていくことは今後も変わりません。これからは、外国人船員とも協力し、国際人としての指導力を発揮できること、さらにまた、少ない船員で運航できるように近代化された船に対応できる技術が求められます。

先輩からのアドバイス
 船には目的の港がある。だから、嵐にもたえられるんです。人生も同じ。私は少年時代に憧れた海の男をめざして、受験に2度も失敗したり、家出もしましたが、目標があったから、苦痛にもたえられました。船の上ではトラブルがおきても、自分で解決しなければなりません。アイディアマンで、それを実行できる指導力が必要です。(船長・神津定剛)

こんな人が向いています
 第一に海が好きなこと。そのうえで、からだを動かすのが好きで、健康なこと、さらに船の上は危険ととなり合わせなので、あたえられた仕事に責任をもち、ルールを守り、仲間と協力し合えることが求められます。
『中学生のための仕事発見ガイド』(実業之日本社)より。

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