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公認会計士
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 ひとつの企業にはたくさんの人たちの生活がかかっています。そのため企業は、少なくとも年に1回は決算(利益・損失の総計算)をおこない、企業の経営成績や財政状態を知らせる決算書類を、国や株主に公表しなければなりません。  それだけに、ただ企業が自分で作って発表するのではなく、公正な目で会計監査(監督し検査すること)をする第三者が必要になってきます。この役割を果たすのが公認会計士です。現在、株式上場企業や資本金が一定以上の大企業の決算書類には、公認会計士による監査証明を受けることが、法律で義務づけられています。
 監査契約をむすぶと、公認会計士は各企業の決算時に会社や取引銀行などに出向き、帳簿や書類をチェックして、決算書類にミスがないかどうかを調べます。
 こうして会計処理について、公正と認められないケースを見つけたばあい、指導や助言をし、その上で最終的に企業が作った決算書類が正しいかどうかの意見をのべた調査報告書を作ります。

仕事の環境
●公認会計士には、自分で独立開業するばあいと、開業している公認会計士事務所につとめるばあいとがあります。●監査の仕事は、企業へ出かけていって調査することが多く、支店や工場などへ調査のために出張することもあります。●年間200日は調査のために企業を訪問し、月に10日は出張するという人もめずらしくありません。

公認会計士になるには

これまで・今後
 現在、全国に1万人ほどの公認会計士がおり、毎年300~400人前後の割合で増えていますが、まだまだ絶対数は足りない状況です。  商法等の一部改正により、資本金5億円以上または負債総額200億円以上の企業も新たに監査の対象となるなど、監査対象の企業は増えています。また、ビジネスが国際化するにしたがい、外国企業の監査をすることも増えてきています。  このほかにも、豊かな経験と情報をもとに、企業に対する会計指導や経営相談などの仕事も増加する傾向にあります。

先輩からのアドバイス
 監査の仕事は基本的に監査先の企業に行っておこないます。といっても企業の机の上だけでおこなえるものではありません。日本全国に支店や工場があれば、実際に現地にいって視察する必要もありますから、出張が多い仕事でもあります。監査をおこなっている途中で問題が発生したときは解決策を考え、企業に提案もします。(公認会計士・荻野 隆)

こんな人が向いています
 計算能力や事務処理能力が要求されます。幅広い経済知識も経営相談には欠かせません。公正な立場を取りつづけることがたいせつです。監査先からの不当な要求は断固はねつける正義感も必要となります。
『中学生のための仕事発見ガイド』(実業之日本社)より。

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