競走馬のめんどうをみながらトレーニングする
調教師・きゅう務員
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 競走馬をトレーニングする責任者が調教師、競走馬のふだんの世話をする責任者がきゅう務員です。このほか調教師を助け、競走馬に騎乗する調教助手という仕事もあります。
 3歳前後まで牧場で育てられた競走馬は、きゅう舎に移され、競走馬としてのトレーニングを受けます。調教師はこうしたきゅう舎の持ち主で、馬の持ち主から競走馬をあずかり、心身ともにきたえ、競争に出すわけです。そのために調教師は、きゅう務員や調教助手を雇い、騎手と騎乗契約をむすびます。調教師の仕事は、きゅう舎の責任者として、きゅう務員や調教助手や騎手に指示を出したり、管理するのがおもです。
 きゅう務員は、ふつうひとり2頭ていどの競走馬をまかされ、その馬についてすべてにわたる世話を担当します。朝、きゅう舎に出勤し、担当の馬のもとに行き、からだをチェックし、体温をはかります。馬ふんをかたづけ、敷きワラを日に当て、ブラシやタオルで馬体の手入れをします。調教中は馬のようすを観察し、終わってからは汗をふいてやって、水と飼い葉をあたえます。午後も運動させ、飼い葉をやり、また、夜にも飼い葉をあたえてから見回ります。競争開催日の前後には馬につきそって出張もします。

仕事の環境
●調教師の収入は、馬の持ち主からのあずかり金と、担当馬が獲得した賞金の一部です。●きゅう務員の労働時間は、午前5時から午後8時までの勤務時間のうちに、午前3時間、午後4時間の休息時間があり、一日の実労働時間は8時間になっています。●競走馬につきそい全国を出張することになります。

調教師・きゅう務員になるには

これまで・今後
 戦後の競馬の発展とともに、競走馬の管理の仕事につく人は増え、またその仕事の環境もととのってきました。  これから就職するチャンスの増加も、労働条件のさらなる改善の見通しも、競馬そのものが、どれほど国民の健全なレジャーとして定着・発展していくかにかかっていると言えるでしょう。  調教師になるには、まず競馬学校に入り、それからきゅう務員、調教助手、調教師とステップをふむのが一般的となっています。騎手から転向する人もいます。

先輩からのアドバイス
 最近、競馬の世界に入りたいと思う若い人が増えてきましたが、中途半端な気持ちでは絶対につとまらない仕事です。    競馬という短いドラマをつくるためには、多くの関係者の努力が必要です。厳しい現実が待っていることもわかってほしい。     ただ、レースで馬たちが自分の能力を出しきったときの気分は最高です。中学時代には、まず基礎的な学力をつけることです。(調教師・鈴木康弘)

こんな人が向いています
 なんといっても馬が好きなことが第一条件です。一日中、馬と接していられる人でないと長つづきしません。それに400~500キログラムもある競走馬が相手であるだけにかなりの体力が必要になります。
『中学生のための仕事発見ガイド』(実業之日本社)より。

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