写真提供・NHK

水族館ガール(実業之日本社文庫)

水面の動き方や、浮き上がる泡にも注目する

しながわ水族館で、ドラマの撮影現場を取材

『水族館ガール』がNHKで連続ドラマ化! イラストレーター〈げみ〉さんインタビュー(前編)

2016.06.17

2014年の発売以来、累計30万部の大ヒットとなった木宮条太郎さんの〈水族館ガール〉シリーズ(実業之日本社文庫など)。発売当初から、「人間とイルカの関わりに感動」「水族館の裏側がわかって面白い」と、幅広い年齢の読者から支持を得ているこの作品が、ついに連続テレビドラマ化(主演・松岡茉優、桐谷健太)。
これを記念して、シリーズの装画担当のイラストレーター・げみさんに、お話を聞きました。ドラマの撮影現場で感じたこと、装画ができるプロセス、創作への想い……人気イラストレーターの秘密に迫ります。

――今日、ドラマ撮影現場となっている「しながわ水族館」でイルカライブを見学されました。撮影現場はいかがでしたか?
げみ ストーリーを知っているからこそ、松岡さん演じる由香とイルカ、ふたつの視点を楽しめました。一般の水族館でイルカショーを見るのとはまた違った感情移入ができました。

――〈水族館ガール〉シリーズは、げみさんによる装画も人気のひとつです。描くにあたって取材はされましたか?
げみ はい。偶然ですが、著者の木宮さんが参考にされたという、須磨海浜水族園(兵庫県神戸市)の近くに、この間まで住んでいたんですよ。ここはイルカを記号で呼び、イルカのショーを「ライブ」と呼ぶ、まさに由香たちがいる水族館のような場所なんです。近いこともあって、何度も通いました。

――水族館では、どんな点に着目しているのですか?
げみ 今日は、水面を見ていました。イルカがずっと泳いでいるので、絶え間なく水面が揺れ動き、光が細かく反射していて。『水族館ガール』の装画も、動いている「水」を描きたいというのが第一にありました。

――げみさんの絵は、雨や光の表現がとても印象的ですが、細部を観察しているのですか?
げみ 光が向こうとこっち、両方から射し込んで、あの白い壁に反射すると、どこの部分が明るくなるのか……というようには見ていますね。

――今回、水族館ガールのジュニア向け文庫の装画も担当されています。どんなことを意識しましたか?
げみ 今回は「浮遊感」を大切にしたいと思って描きました。これまで僕は、地面に足がついた構図が多かったんです。あとはやはり、水のスプラッシュ感ですね。新しいことにチャレンジさせてくれる仕事は、いつも楽しいです。

――画家として、どんどん変化していきたいですか?
げみ 今年27歳になります。まだ知識も体験も圧倒的に少ないので、自分の作風を「こうだ」とは決めたくないですね。「これも楽しいんじゃないかな」と色々なことにチャレンジしていって、40歳を超えたころに「自分はこれが好きなんだな」と思い定めて追求しはじめる、というのが理想かなと思います。

★インタビュー後編はこちらから!★

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