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井上篤夫(作家)

特別エッセイ 孫正義さんとロボット -井上篤夫(作家)

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2月に発売した実業之日本社文庫の新刊『志高く 孫正義正伝 新版』が売れています。
発売直後の2月20日には、TBSテレビの人気番組『林先生の痛快! 生きざま大辞典』で、この本の内容をもとに林修先生がソフトバンク孫正義社長の人生を紹介したことで、さらに売れ行きが伸びました。
そこで、孫正義社長が無名だった時代から四半世紀以上にわたって取材を続け、孫社長自身から「私よりも私のことをよく知る作家」と認められている著者の井上篤夫さんが、特別エッセイをご寄稿くださいました。

本書は、孫社長が唯一認めた「評伝」でもあります。

特別エッセイ 孫正義さんとロボット
井上篤夫(作家)

この度、私は『志高く 孫正義正伝 新版』(2015年)を上梓しました。最初の書籍『志高く 孫正義正伝』(2004年)以来、10年余が経過しています。
なぜ、『志高く』を書き続けるのか。

2014年6月5日、ソフトバンクの孫社長はロボット事業へ参入すると発表しました。
ロボットの名前はPepper(ペッパー)。

家庭や店舗など一般での利用を想定したパーソナルロボットで、相手の表情や声色から感情を推測する「感情エンジン」を備え、「空気を読み」コミュニケーションすることができます。

孫さんにとって、ロボットとは子どものころ夢中になって見たアニメの鉄腕アトムでした。「胸を躍らせて、学校から帰ったら慌ててテレビを点けたことを覚えています」

ロボットは鉄人28号のように涙を流さないし、人の心がわからない。
しかし、アトムは違う。「嬉しさ、悲しみという感情を人と分かち合う。当時は夢物語だと思っていたが、いつかロボットがそういうことが理解できるようになればいい、そういうロボットを作りたい」
今、孫社長はその夢を実現させようとしているのです。

ここに、私が「孫正義を四半世紀にわたって追い続ける」理由の答えがあります。
私が初めて孫正義という事業家に会ったのは1987年10月です。当時はパソコンソフトの卸売りと雑誌の出版が主な事業でした。そのとき、「いつか自分たちがナンバーワンになる」と熱っぽく語ったのを今でも鮮明に覚えています。

また、創業時、「いずれ売上げを豆腐のように、1丁(1兆)2丁(2兆)と数えるようにしたい」と青年社長・孫はミカンの木箱の上で熱弁をふるったのです。2人いた社員は、翌日辞めました。
2014年8月8日に行われたソフトバンクの決算説明会で(2015年3月期第1四半期)、孫社長は、「売上高は2兆円。ドコモとKDDIを頭ひとつ突き放した」と高らかにナンバーワン宣言をしたのです。

そして現在、事業家・孫正義は「世界一に向かって」挑戦し続けています。
志高く。