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ブルーガイド編集部

韓国の魅力再発見! Part2 伝統の韓屋村・全州を訪ねる

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韓国観光公社のご協力のもと、新たな魅力をお届けするレポート。パート2ではソウルの南に位置する全州(チョンジュ)をピックアップします。

全州は全羅北道(チョルラプクド)の道庁所在地。朝鮮王朝の開祖、李成桂(イ・ソンゲ)の出身地でもあり、かつては百済の首都が置かれたこともあった場所です。豊かな農作物を活かし、食の都としても名を馳せています。

ソウルからのアクセスは韓国高速鉄道KTXで約2時間。高速バスなら3時間弱。タイミングがよければ、外国人旅行客は無料のシャトルバスを利用することもできます(2014年は10~12月の金・土・日曜運行。2015年は未定(2014年12月現在)。詳細はHPを。http://shuttle.dongbotravel.com/jp/index.php)。


左:高台から見渡す韓屋村の様子/ 中:「国際スローシティ」の看板/
右:工芸品を扱う店が並ぶ通りの案内板も味がある

全州は街全体から韓国情緒あふれているところ。それゆえ、国際スローシティ連盟から「都市型国際スローシティ」として全州韓屋村(ハノクマウル)が指定されました。高台から見渡せば、700軒あまりの韓屋が一面に並ぶ姿に圧倒されます。現代風の建物はこのエリアからは排除され、村の飲食店や雑貨店はみな街に溶け込む造り。週末ともなれば日帰り旅行客でごった返すのだとか。

訪問時はちょうど大学生の夏休み期間だったようで、若者の姿を数多く見かけました。25歳までの若者だけが使える鉄道乗り放題切符があることが、地方都市への若者の旅行に拍車をかけているようです。


左2枚:待ちの雰囲気に合わせた外観のカフェが軒を連ねる/ 右2枚:人気の酒種蒸しパンとホットクの店は看板がかわいい! 蒸しパンは両手で持たないとならないほど大きくて3000W


左2枚:制作過程が見学できるブースを備えた店も。左は瓦せんべいのようなお菓子、右はひねった揚げ菓子/ 右2枚:全州名物「母酒(モジュ)」の店。シナモンの入った甘酒のような飲み物で、アルコールはほとんど入っていない

そこかしこに歴史ドラマのロケ地が

それでは、街の見どころを紹介しましょう。
まずは全州郷校(ヒャンギョ)。パート1でも触れたように、郷校は地方国立学校のこと。ドラマ『トキメキ成均館スキャンダル』のロケ地にもなった場所で、保存状態が非常によく、史跡第379号に指定されています。


左:全州郷校の入口。文化財史跡の木札がかかっている/ 右:ドラマでも頻繁に登場した銀杏の木は樹齢400年で存在感たっぷり。ドラマファンとおぼしき観光客は写真撮影に余念がない様子

街の南には李成桂をまつる慶基殿(キョンギジョン)が。こちらはドラマ『宮(クン)―Love in Palace―』映画『王になった男』などのロケ地です。入場料は1000Wですが、毎月最終水曜の文化の日は無料になるそう。

同じく史跡に指定されているこちら、中は落ち着いた雰囲気で、敷地奥の正殿には李成桂の肖像画が安置されています。敷地内には竹やぶが多く配されているのですが、それには確固たる理由がありました。実はこの慶基殿、一度は火事で焼失しているのですが、おそらくそこからの教訓なのでしょう、燃えると音がする竹を植えることで、万が一の火事の際にすぐ対処できるようにするためといわれています。また、竹筒は文書入れにもできるので、実利を兼ねていたのです。


左:正門前に設置された「下馬碑」。ここで馬から下りなくてはならなかった/ 中:柱の下が白いのは、雲を表しているそう。「李成桂の魂は雲上に住む」という意味から/ 右:慶基殿向かいにある殿洞聖堂(チョンドンソンダン)も文化財史跡に指定されている

伝統家屋の宿泊を体験【学忍堂(ハギンダン)】

せっかく伝統文化の街に来たのだから、宿泊も伝統家屋を体験するのはいかが? 全州韓屋村にはいくつかの韓屋旅館があります。昔ながらの韓屋だと、トイレや台所などの水場は建物の外にあるなど、現代の生活に慣れた身には不便に思うところも多く、敬遠されることもありました。しかし近代韓屋はその点は解消されており、エアコン完備で宿泊も快適です。


緑の豊かな中庭を持つ学忍堂。飼い犬も気持ちよさそう


宿泊した室内の様子(2人部屋)。左の観音扉の奥は脱衣所と水回り。右の写真のようにシャワーとトイレが設置されている

今回お世話になった学忍堂は1908年に完成した、築100年超の建物。北朝鮮と中国の国境付近にある白頭山(ペクトゥサン)のアカマツを使って造られており、文化財にも指定されています。2000坪あったという土地は今は530坪になったといいますが、1976年には韓国のサムソンの社長がここを買い取りたいと、3億W(当時)を提示したこともあったとか。建物は引き戸や壁でこまかく仕切られていますが、壁は上に開閉するようにできていて、パンソリ(韓国の伝統芸の)の公演の際には一間続きにすることもできます。

部屋数は9室とこぢんまり。値段の高い「白凡之室」は4人まで宿泊可能です。また、宿泊してなくても1万Wの韓服体験や茶道体験も用意されています(要予約)。


左2枚:白凡之室内部。螺鈿の家具が美しい/ 右:のれんのポジャギが涼しげ


特別に見学させていただいた屋根裏部屋からは中庭が一望できる。
屋根裏は収納を兼ねており、真鍮の器もたくさん

実際にこちらにお住まいの、4代目当主白暢鉉(ペク・チャンヒョン)・徐華順(ソ・ファスン)ご夫妻と息子さんの心のこもったもてなしに、我々の心も温まること間違いなし。宿泊客や体験を申し込んだ客以外は、固く閉ざされた門の中に入れないというのもなかなか興味深いです。部屋数が少ないので、宿泊の予約はお早めに!
http://from1908.kr/(韓国語)


左:茶道体験の準備をする息子さん/ 中:当主ご夫婦。朗らかな笑顔!/ 右:朝食はなんとサービス! すべて手作りのおかずが10数種類。優しい味に箸が進む

全州名物に舌鼓【ウェンイコンナムルクッパ】
【校洞(キョドン)トッカルビ】【PNB豊南(プンナム)パン】

「全州名物の食べ物は?」と聞かれたら何を思い出すでしょう。いちばん多いのはピビンパではないでしょうか。石焼きではなく、温度をキープするための冷めにくい真鍮の器を用い、伝統に従った5色の素材を美しく盛りつけるのが特徴の全州ピビンパもいいですが、ここではその他の名物を紹介しましょう。

二日酔いの朝に最適といわれる「コンナムルクッパ」は、ピビンパと人気を二分する全州名物。コンナムルとは豆もやしのことで、ビタミンや食物繊維が豊富なためデトックス作用が高い野菜です。このたびお邪魔した「ウェンイコンナムルクッパ」は24時間営業でクッパを提供する老舗。ほかにも「サムベクチプ」「韓一館」など有名店があり、それぞれ特徴があります。「ウェンイ~」は豆もやしを煮込まず、あとから入れるのが特徴。また、卵は別のお碗で用意されるので、そこにクッパのスープを入れてかき混ぜ、胃を守るために食べるという仕組みはおもしろいですね。コンナムルクッパにはつきものの母酒も味わってみて。


左:コンナムルクッパ。しゃきしゃきモヤシがたまらない。もやしは追加でサービスもしてくれる/ 中:卵は軽く火が通ったものが別添えで。海苔とクッパのスープを入れて食べるのがウェンイ流/ 右:アミの塩辛で塩分とコクをプラス。手前の茶色の液体が母酒

夕飯に訪れたのは「校洞トッカルビ」。「校洞」とは韓屋村がある地区の名前で、こちらは「韓屋村に来たならぜひ寄っていきたい」と評判の店。トッカルビとはハンバーグのようなものとよく説明されますが、肉をたたいてミンチのようにした肉のことで、このトッカルビと〆のご飯のセットが14000Wでいただけてなかなかお得です。

こちらのトッカルビは未冷凍国産豚肉を使用。量も多くて食べ応えがあります。〆のご飯はピビンパ、蓮の葉ご飯、コンドゥレ(高麗アザミ)の炊き込みご飯からのチョイスでした。コンドゥレは春~夏が旬の山菜。ふわっと香る山菜の風味がたまりません。

そして全州といえばマッコリも欠かせません。参加者が女性ばかりということもあり、桑の実のマッコリをチョイス。少々甘めですが、飲みやすい一品でした。


左:柔らかくてジューシーなトッカルビ/ 中:コンドゥレの緑が色鮮やか。右奥のタレをかけながらいただく/ 右:桑の実マッコリは女性に人気

旅の合間には甘いものもいただきたいですよね。いま全州土産で大人気なのがこのチョコパイ。豊年製菓(PNB)は1951年創業、全州の老舗ベーカリーです。韓屋村の売店はいつも大行列! 1つ1600Wとお値頃で、みな10個20個と箱詰めでお買い上げ。1日に数千個の売り上げがあるのだとか。チョコでしっかりコーティングされたずっしり重いチョコパイ。日帰り旅行客が帰途につく夕方以降は行列がなくなるので狙い目ですよ!
http://www.pnbakery.co.kr/(韓国語)


左:チョコパイといってもパイではなく、チョココーティングされ、クリームが挟まれたパンのこと。食べ応え充分/ 右:行列ギライの韓国人も並ぶ人気店。隣のマンドゥ(蒸し餃子)店も行列なのでひときわ目立つ

※本文内の金額レートは1000W=120円(2014年12月現在)

次回はソウルの新名所をご案内します。
(協力:韓国観光公社)