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ブルーガイド編集部

韓国の魅力再発見! Part1 韓国第三の都市・大邱に初上陸(後編)

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前回は、大邱の見どころと歴史ある韓方薬令市にまつわる施設を紹介しました。今回は、旅行の楽しみ、市場巡りと食事についてご覧いただきましょう。

人情あふれる大邱最古の市場【西門市場(ソムンシジャン)】

その歴史は朝鮮時代までさかのぼるという大型在来市場、それがこの西門市場です。5つの地区(建物)とその他の商店街に分かれており、繊維産業で栄えてきた大邱を表すように、衣類や生地の店が多いのが特徴。ほかにも乾物など、地区ごとにさまざまなものを扱っています。


もちろん飲食エリアも充実。大邱出身者のソウルフードだというナプチャクマンドゥ(ぺちゃんこ餃子)はB級グルメラバーにはぜひ押さえていただきたい一品。ほかにもカルグクス(うどん)といった軽食や、がっつり系では大邱名物チムカルビ(激辛のカルビ煮込み)など、これまたバラエティ豊かに揃っています。


左から、中にチャプチェの詰まったユブ(油揚げ)1人前3000W、トッポッキ1人前2500W、ナプチャクマンドゥ(具の少ない平べったい餃子)2500W(第4地区の「ミソンダン」にて)。ナプチャクマンドゥは市場で普通に売られている


市場の北側の食堂街にあるサンミ食堂。名物チムカルビは日本人向けに辛さを控えてくれたようですが、それでもなかなか手強い! ごはんとともに野菜で巻いてみても美味

取材団が行ったのは平日でしたが、人の多さは週末かのようにも感じられる賑わいっぷりでした。何百年の歴史を経ても人々がよりどころとする、また訪れたくなる市場ですね。

名物コプチャン通りで賑やかに夜は更けゆく…【アンジランコプチャン通り】

引き続き大邱名物を紹介しましょう。500mのまっすぐな通りに40軒ものホルモンの店がひしめく、地下鉄1号線アンジラン駅3番出口からすぐにあるこの通り。韓国の飲食店は特定の食べ物の専門店である場合が多く(参鶏湯専門店、冷麺専門店、など)、その専門店だけが集まる飲食店通りというのが各地に存在するのですが、ここもその1つで、マクチャン(牛のギアラ、もしくは豚の腸)を輪切りにして焼いて食べる店がずらりと並びます。

訪問した19時頃はどの店も大繁盛! 基本的にメニューや値段はほとんど変わらないので、自分のアンテナの向いたところに入ってみるのが楽しそうです。今回お邪魔したのは「アンジコプチャン」。早速コプチャン(小腸)盛り合わせとマクチャン、そして鶏ハツを注文。店員さんが焼き加減にも目を光らせてくれ、食べ頃を教えてくれます。特製の味噌ダレにつけると箸が止まりません……!

盛り合わせの量が多いので、できれば4人以上で訪れたいところ。店は午前中から深夜まで開いているところがほとんどだそう。ホルモン好きは訪問必須です!


左から、大賑わいのアンジコプチャン/マクチャン(150g8000W)。臭みもなくぱくぱく。野菜に巻くとまたさっぱり/コプチャン(小腸)は味付きで500g12000Wのオトクさ。串に刺さるのは鶏ハツ300g5000W/大邱で定番という焼酎、マシヌン チャム3500W

日韓友好の架け橋【鹿洞書院(ノクトンソウォン)】

最後に、大邱の郊外の見どころをひとつご紹介しましょう。釜山の金海空港から大邱市への道中にある鹿洞書院です。「書院」とは私立の学校を意味します(ちなみに郷校(ヒャンギョ)は地方の国立学校、成均館(ソンギュンガン)はソウルにあるトップの国立学校という風に呼び名が分かれていたそう)。そして鹿洞書院には、17世紀後半にここに住み、住民の教育に尽力した「賜姓(サソン)金海金氏(キメキムシ)」の始祖である金忠善(キム・チュンソン)将軍が祀られています。
元々韓国では、先祖がどこの出身かを表すのに「〈地名〉〈名字〉氏」という言い方をするのですが、そこにさらに「賜姓」がついています。これはなぜでしょうか?
答えは、読んで字のごとく「金」という姓を賜った――そう、金将軍は実は朝鮮に帰化した人物だったからなのです。

文禄の役で加藤清正軍の一員として朝鮮に出兵したものの、日本の侵略に疑問を抱いていた武将・沙也可(さやか)。彼は釜山に上陸してすぐ、3000人の部下とともに朝鮮側に投降。朝鮮の軍勢として戦い始めたのです。日本側からすれば裏切りの行為ですが、朝鮮軍にしてみれば救世主ともいえる存在でした。彼は日本の火縄銃の制作技術を朝鮮に教え、日本との戦の勝利にも貢献。そのため当時の朝鮮の王から「金忠善」という名を与えられ、ここに「賜姓 金海金氏」が誕生しました。


左から、なぜか大きな招き猫が鎮座していた韓日友好館/茶道体験では、日本の抹茶を使用したお茶が振る舞われます/船の模型は入口にもあり、新羅時代に日本の船から学んだ技術が使われているそう/当時の銃も特別に見せていただきました

現在、彼の住居であったこの書院には「達城(タルソン)韓日友好館」が併設され、歴史解説の展示、3Dムービーによる将軍の生涯の紹介、伝統衣装や文化体験(一部要予約)などができるようになっています。
団体で訪れる場合は、あらかじめHPから予約をしておくと、日本語可能な文化解説士の方による案内もお願いできるそうです(文化体験の予約なども、下記HPから)。
http://www.dskjfriend.kr/main

紹介した場所のほかにも、夜のライトアップ噴水ショーが美しい寿城(スソン)池や、「美しい大学ランキング」に必ずランクインするという『ラブレイン』ロケ地の啓明(ケイミョン)大学、また、ロケ期間中にチャン・グンソクが滞在した大邱グランドホテルのスイート(もちろん宿泊可能)など見どころはいっぱいです。

また、実はチキンも名物の大邱。韓国中で見かけるチキンチェーンの本社はたいてい大邱だというのは初耳でした。夏には「チメクフェスティバル」という、チ(=チキン)メク(=メクチュ=ビール)の祭典も開かれます。
比較的こぢんまりとした中にあらゆる楽しみが詰まった街、大邱。韓国の魅力をコンパクトな旅で味わってみるのもいいかもしれませんね。

※本文内の金額レートは1000W=100円(2014年9月現在)

次回は全州の魅力に迫ります。
(協力:韓国観光公社)