夜明けのカノープス

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シリーズ
  • 四六判上製200ページ
  • 2013年08月08日発売
  • 価格 1,540円(税込)
  • ISBN 978-4-408-53628-6
    • 品切重版未定
夜明けのカノープス

内容紹介

その星を見たら、きっと私は変わることができる。

カノープスとは、冬の星座「竜骨座」の一等星で、シリウスに次いで、全天で二番目に明るい星。残念ながら、日本で見ようとしても地平線すれすれの南の空にあり、なかなか見ることができない――

教師への夢を諦め、教育系出版社で働く映子。仕事はコピーとりやお使いと雑用ばかり、中学時代の憧れの先輩・若田への恋も叶いそうにない。どうせ契約社員だから……先輩とは住んでいる世界が違うから……と、自分を持て余す日々を送っていた。ところが、仕事を通じて生き別れた父と再会した映子は、それをきっかけに、少しずつ前に進み始める……。その一歩を踏み出せない「こじらせ女子」の逡巡が、ひりひりと沁みる感動長編。

先輩に対する今の私の気持ちは、敢えて遠い世界にいる人を想うことで、身近な恋愛から逃げているだけなのかもしれない、と。本当は、こんな状態から抜け出したいと心のどこかで思っているはずなのに。先輩が発する光があまりにも強過ぎて、眩しくて堪らないのだ。その眩しさのせいで、身近なものが見えなくなってしまうくらいに。(本文より)