旅を重ね、滑走を繰り返すごとに、心は太くなる。
From Editor
2010年、『大人のスキー』を発行する実業之日本社は、スキー出版50周年を迎える。
1961年に『全国スキー・ゲレンデ案内』が、翌62年には『Ski 63 第1集』を出版。
半世紀に渡り、スキー雑誌・書籍を出版してきたのだ。
この事実に直面すると背筋がしゃんとする。
普段、自分たちが本をつくる中で歴史を感じたり、伝統を生かすことは少ない。
しかし、最近変わってきた。
先人たちがつくり、編んできた本が気になって仕方がないのだ。
書庫にある古い本を見返すことが多くなった。
すると、「この時代にこんなものが!?」というスキーの名著がたくさん出てくる。
箱入り書籍はもとより、写真集、カレンダーブック、技術書、全集、辞典など。
企画の斬新さ、思い切りのよさ、重厚さ。
ページを繰る度に、時代の滑走者たちが頭を駆け巡る。
スキー雑誌編集者として自分自身、三浦敬三の最後の著書に携われたり、『大人のスキー』や『POWDER SKI』を創刊してきた。
しかし、昔の本を見返していると、先人たちた築いてきた歴史があったからこそ今があることをはっきりと認識できる。
現在、編集部では10年以上ぶりに写真集をつくっている。
北海道ニセコ在住の写真家・渡辺洋一の作品集だ。
彼との付き合いも10年を超える。
渡辺は言う。
「何十年も後に、誰かが真剣に読んでくれることを想い、この写真集をつくっている」
時代といううねりの中で、さまざまなことが交錯し、つながり、写真集が生まれる。
タイトルは『雪山を滑る人』。12月4日発売だ。
見て、触って、感じていただけたらと思う。
そして、僕らスキーヤーは、先人たちに負けないように、スキーを心から楽しみ、魅力を深く味わい、すべり続けたい。
それが結果として、過去の滑走者たちへの感謝の証となり、後世につなげていくことになるのだから。
『大滑降への50年』三浦敬三(1970年)
『雪に生きる』猪谷六合雄(1971年)
『雪に生きた八十年』猪谷六合雄(1972年)
『101歳の少年』三浦敬三(2005年)
『冒険家 75歳エベレスト挑戦記』三浦雄一郎(2008年)
『雪山を滑る人』制作秘話
- talk about PHOTO BOOK 写真集が生まれる(『POWDER SKI 2010』より)
- Special Talk 写真集を読む(『Ski 2010 Vol.2』より)