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  ビーチ・パラの可能性(2/2)

ビーチ・パラの可能性(2/2)

―― そもそも、パラスポーツの普及を目指そうと思われたのは、どんなきっかけからでしょうか?   現役時代からスポーツの振興には取り組んでいましたが、パラスポーツとの接点はほとんどありませんでした。 2012年頃から社会的にもパラスポーツ普及の機運が高まり、私も選手として関連のイベントに参加するようになったことがきっかけです。その後、議員としてより積極的に関われる立場になり、「ビーチでもパラスポーツを」とようやく視野が広がってきたところです。バレーボールがビーチバレーボールへと発展したように、まずは既存のパラスポーツが、どう舞台をビーチに移せるか、それを応援したいと思います。   ―― そのために、どんなことが必要でしょうか?   まずは、ビーチに来てもらうことですね。そして、障がいの有無に関わらず、みんなが一緒にビーチで楽しめるレクリエーション的なスポーツの普及から進めていきたいと思っています。その先に、競技性をもったビーチ・パラスポーツへの広がりも期待しています。   ―― 砂の上では、どうしても難しいパラスポーツもあります。   実は、既存のビーチスポーツにも、砂の上でなく、ビーチ脇に設けたコートで行うものもあるんです。たとえば、3人制バスケットボールのビーチ3×3(スリー・バイ・スリー)やビーチテニスなどです。これをパラスポーツに応用したのが今年のJBGで、砂の上で行った車いすビーチフラッグスの他に、ビーチ脇で車いすバスケとボッチャに挑戦しました。 ルール変更や障がいによるクラス分けなどを適用し、創意工夫するのはパラスポーツの基本ですよね。〝砂の上だから、できない〞とあきらめるのではなく、〝どうやったら、できるかな?〞と考えて、新しいビーチスポーツを生み、楽しむ環境を作れたらと思います。   ―― 他に、気づいたことや手応えは?   もう一つ、パラスポーツの特性としてサポートする人が当たり前に存在します。いわゆるサポートする側、される側という関係でなく、〝チームメート〞として必要な存在なので、〝やらされ感〞なんてありません。ビーチスポーツを一緒に楽しむことで、自然に日常生活でのサポート方法や思いやりも身につくように思いました。 高齢社会の日本では日常生活に不便さを感じる人も増えています。パラスポーツは共に支え合う意識を自然と気づかせてくれるし、障がいのある人と交流することは未来のトレーニングでもある。今回の挑戦で、そんなことに気づけました。   ―― パラスポーツの新たな可能性を感じますね。今後の取り組みについては?   まずは、JBGの存在を広め、〝JBGに行けば、障がいのある人もビーチスポーツが楽しめる〞と認知させたいですね。現在のJBGはフェスティバル的な開催ですが、いずれは公式戦化させ、いつかは国際化までできれば。目標を高く大きく持って進めていきたいです。 取材・文/星野 恭子 写真/日本ビーチ文化振興協会


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