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  未知の領域へ 小椋久美子さん・鈴木亜弥子さん(その2)

未知の領域へ 小椋久美子さん・鈴木亜弥子さん(その2)

鈴木●小椋さんが北京オリンピックの出場権を獲得した前後で、どんな心境の変化がありましたか。 小椋●実際には当時、日本のなかで世界ランキングがトップだったので、おそらくオリンピックに出場できるだろうということは、ある程度わかっていました。でも、実際にオリンピック出場が決定した2008年の5月は、うれしいというよりもやっとスタートラインに立ったというホッとした気持ち。単にオリンピック出場だけならそこで達成ですが、その先にメダルを取りたいという目標がありましたから。でも、残り3ヶ月を考えた時にメダルを取れる位置にはいないよな、ということを痛感して身震いしていたという感じでした。中国の出場枠は3ペアでしたが、実際には4ペアも強豪が争っていたほどでした。 鈴木●4組ですか!? 小椋●プラス韓国とチャイニーズタイペイ。勝ったことがある選手もいたけど、10回のうち1回勝っても、それではほとんど負けてるようなもの。だからオリンピックまでにすごく自分を追い込んでいました。3ヶ月間に3回ぎっくり腰しましたから! 鈴木●3回も? 小椋●当時、誰も話しかけられなかったよってみんなから言われます。自分だけでなく周りの環境がものすごく変わるので、そこには引っ張られないほうがいいと思う。 鈴木●周りですか? どういう風に変わりましたか。 小椋●まず壮行会がめちゃめちゃあるんですよ。それに取材もすごく増える。もう、肌で感じるくらいオリンピックってこれだけの人が注目するんだって。実際、オリンピックで北京のコートに立っていても、日本で応援してくれているというのがすごく想像できる。オリンピックは本当に別物。日本だけでなく、世界中の人が注目する場なんだということを実感しましたね。 鈴木●世界選手権やアジア大会とオリンピックでは、どう違うんでしょうか? 小椋●4年に1度という月日の長さも違うし、それこそ中国や韓国は死に物狂いでくる。プレー中でも、他の大会だったら絶対に取れないでしょうという球をどんな体勢でも取ってくる。そういう想念みたいなものが強すぎて、反対にすごく優れた選手が空振りしたり、こけたりする。 鈴木●ええっ! 想像つかない。 小椋●それから、やっぱりオリンピックは世界一の大会だから、過熱報道にもなるんです。でも、それは日本だけではないと思う。 鈴木●そうなんですね。 小椋●他の国では金メダルの評価って、日本とは比べものにならないくらい高いところも多いですよ。東京オリンピック・パラリンピックが決定してメディアの関心はすごく高まってるでしょう? 鈴木●そうですね。先日、町田で開催された国際大会(ヒューリック・ダイハツ JAPANパラバドミントン国際大会)でもたくさんテレビや新聞の取材があって、どう自分が対応すべきか、勉強になりました。 小椋●2020に向けて、さらに注目度は上がっていきますよ。


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