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  当事者の生の声を「笑い」に乗せて発信(その1)

当事者の生の声を「笑い」に乗せて発信(その1)

いま巷で「バラエティ番組のなかで、もっとも面白い!」と言われているのがNHK・Eテレで放送されている『バリバラ』だ。現在は障害者に限らず生き辛さを抱える人たち、マイノリティの人たちをテーマに制作されている番組で、彼らの生の声を「笑い」というスパイスを加えながら、世に〝発信〞している。 「10人ほどのディレクターが企画案を持ち寄ります。それと並行して世の中で起こっている事件、各種制度の改正などを鑑みながら、何をやるかを決めていきます。ただ僕らが一番大切にしているのは、当事者の人たちの視点です」 『バリバラ』を手がける真野修一チーフプロデューサー(以下CP)は、番組制作のキモである企画立案のポイントをこのように語る。 「私たちが『これ、おもしろそうだよね』と思っても、障害者の人たちがそれを楽しんでくれたり、やる意味があると感じてくれないと成立しないんです」 「バリバラ海の王子 決定戦」という回もあった。水着になりたくない、車いすは入り辛いなど、障害者はなかなか夏(海・砂浜)を楽しめない、という声があり、「じゃあ楽しめるようにしよう! そのためには運動会をやろう!」という企画だ。 スイカ割りや線香花火長もち対決など、日常的に楽しめる種目を通して、障害の特性や、砂浜を楽しむためのヒントを伝えることを考えたという。 「それぞれの参加者が苦労をしつつも楽しんでいるのを視聴者が見て『あ、こんなところに不便を感じていて、それをこう工夫してるんだな』と感じてもらいたかったんです」(真野CP)


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