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  オーダーメイドが生み出す揺るぎない信頼感 山田 賀久【エンジニア】(その1)

オーダーメイドが生み出す揺るぎない信頼感 山田 賀久【エンジニア】(その1)

今から53年前の1965年から、車いすの製造を行なっている日進医療器。老舗の車いすメーカーだ。 64年に創業者の松永和男氏が、東京オリンピックの後のパラリンピックで、障がいのある選手が車いすを自在に操作する姿に感動。これから車いすの需要が高くなると考えたのが、車いすを作り始めたきっかけ。現在では業界のシェア30%を占めているトップブランドだ。 常に革新的なモデルを開発し、時代をリードしてきた。87年にはチタン製、88年にはカーボン製の車いすを開発。04年には世界初の4輪駆動電動車いすを世に送り出すなど、あらゆるニーズに対応すべく、さまざまな種類の車いすを生み出している。 日進医療器が得意とするのはオーダーメイド。体型や障がいの場所、程度が異なる障がい者のすべての人が使いやすい製品にするためには、既製品では不可能なのだ。オーダーメイドに限定すると、業界のシェアが60%にもなり、圧倒的な人気を誇っている。 「重い障がいをもったお客様のための車いすは形が複雑なのですが、無理だと決めつけて断ってしまっては何も始まりません。最初は苦労しますが、開発や製造にいろいろなノウハウを蓄積することができ、後々の車いすの開発時に生かすことができるからです」 このオーダーメイドの技術は、スポーツ競技用車いすの開発に大いに役立っている。スポーツ用車いすは、会社の草創期から手がけ始め、81年から本格化。選手によって体格や好みが異なるので、オーダーメイドの技術は欠かせない。 「とくにレーサー用モデルは、身体にぴったりと合っていなければタイムが出ません。幅や前傾角度など、選手から聞いたことを、きちんと形にすることが私たちの仕事です。選手からの要望が細かいので、どうしてそうしたいのか理由まで聞かないと、意図したものが図面にできないし、こちらから別のアプローチもできません。できたものがミリ単位でズレていてもダメです。若い頃にバックサポートシートの張り具合を勝手にいじってしまい、選手から大変なお叱りを頂いたこともあります。動きに制約がある選手にとって、少しでもポジションが変わると大問題。すごくシビアに気を使って製作しています」


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