患者の心身の苦痛をやわらげる。その役割はますます重要に。
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 いつの時代でも、看護師はあこがれの職業です。病気で入院したときとてもやさしくしてくれた、きびきびと働く姿がすてきだった。たいていそんな看護師さんに出会い、自分もああなりたいと願ってのことでしょう。
 しかし、看護師の毎日の仕事はかなりハードです。とくに入院患者をかかえた病院の看護師は交代制で24時間、患者の容態を気づかい世話をします。たとえば日勤のばあい、朝、8時ごろに病院に入り、夜勤者から患者のようすなどの申し送りを受ける。つづいて病室をまわり、シーツ交換などのベッドメーキング。午前中の医師の回診につきそうと、つぎは昼食の配膳。自分で食べられない人には食べさせてあげたり、トイレにつれていったりもします。点滴の準備や手術をひかえた人の準備をしたり、ときには髪も洗ってあげます。急に容態が変わってナースコール。医師に連絡して緊急の処置をします。夕方までには記録もつけて、つぎの夜勤者にひきつぎます。
 こうしたいろいろな日常の仕事と同時に、不安になりがちな患者の話相手になり、早く元気になろうとする気持ちを引き立てるのも大事な仕事です。看護師は、患者の日常生活と心をささえる専門職なのです。

仕事の環境
●夜間勤務、早出、遅出、休日出勤など変則的な勤務が多くなります。●人の生命にかかわる仕事であり、やりがいのある反面、緊張度が高い。●資格の必要な職業だけに、何らかの理由で一度退職したあとにも再就職がしやすい。●最近、患者の家庭で治療を行なう訪問看護が注目を集めています。

看護師になるには

これまで・今後
 就職している看護師の数は全国で約49万3000人(男性は約1万1000人)、准看護師は約34万人(男性は約1万4000人)います。  毎年、新たに看護師資格を得る人が多い反面、退職者も多く、有資格者の就業率は50パーセントとなっています。ハードな仕事だけに家事、育児との両立がむずかしい面もあるからだと思われます。なお高度化した現在の医療に対応するため、保健師、助産師と合わせて看護師制度を一本化しようとする動きもあります。

先輩からのアドバイス
 弱い立場の人を見たら、何とかしてあげられないかとちょっとでも頭をかすめる人なら。あるいは、この子はどうして泣いているのだろうと、ちらっとでも考える人ならば。それから「人間が生きているってすばらしい」と実感したいと心から願っている方なら。そんなあなたは十二分に看護師になれる資格がそなわった人です。(看護師・山内美子)

こんな人が向いています
 人へのやさしさ、いたわりの心が看護の基本です。ふだんから相手を理解し受け入れようという態度をもっている人。緊張の連続するハードな仕事であるため、体力に自信のある人。また、仕事を一生つづけたい人。
『中学生のための仕事発見ガイド』(実業之日本社)より。

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