桜の首飾り

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シリーズ
  • A6判264ページ
  • 2015年01月31日発売
  • 本体価格 593円+税
  • ISBN 978-4-408-55209-5
    • 在庫あり
桜の首飾り

内容紹介

烈しくも切ない、桜と人生をめぐる7つの物語

あたたかい桜、冷たく微笑む桜、烈しく乱れ散る桜……桜の季節に、人と人の心が繋がる一瞬を鮮やかに切り取った、感動の短編集。ステージママを嫌う子役の女の子(「初花」)、謎多き愛人をめぐる二人の男(「花荒れ」)、見知らぬ女性から「青い桜の刺青の標本を探して」と頼まれる大学資料館のアルバイト(「背中」)……現代に生きる男女の幻想、羨望、嫉妬、自己回復、そして成長を、気鋭の作家が描き出す。

【藤田宜永氏の解説より抜粋】
「桜はいにしえから歌に詠まれ、小説でも幾度となく取り上げられてきた。日本人と切っても切れない花、誰にでも馴染むが奥の深い名花である。その名花を千早さんがどう作品の味つけに使うか、愉しみにしてページをくっていった。柔らかくて温かい桜もあれば、女の隠された色として顕れる桜もある。テーマと直結しているものもあれば、遠巻きに迫ってくるものもある。ともかく一作一作に趣向が凝らされている。しかし、どの作品からも、千早さんの世界が匂い立ってくる――」

目次

【収録作品】
春の狐憑き
 美術館勤務のわたしの昼休み。初老の男性が言う。
 狐は人の健全な心を喰うのだとか。喰われると心が解放されるらしい。

白い破片
 花見場所取りの際の雨宿り。声をかけてきた人懐っこい女。
 そこで俺が思いだしたのは、冷たい笑いをする過去の女だった。

初花
 元女優のママは、小六のあたしを無理やり華やかな世界で注目させたがる。
 いやになったあたしは花屋さんで…。

エリクシール
 わたしは夫の亡妻の身代わり……それに気づいてしまった女は、
 バーで知り合った男と愉悦の時間をもっていたが。

花荒れ
 国税局の男に私は、「ゆきちゃん」と名乗る女との関係を聞かれたが、
 二人の関係は和菓子がきっかけに過ぎなかった。

背中
 大学内外から持ちこまれる資料を整理するバイト中の僕。
 四角四面の上司のもとに、刺青の標本を見たいという女の電話が…。

樺の秘色
 亡くなった祖母の家の庭に私が見た少女の幽霊。
 家族にもわからない少女の姿を見えていそうなのは、私のほかに風来坊の男。